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霹靂の錬金術師
INTO
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っていた。
そのまま杖から錬成される紫電を頼りに歩を進める。しかし行っても行っても壁というものにぶち当たらない。
それに足をいちいち血を掻き分けて進ませるので、それなりに体力を吸われていた。インドア派の私としては辛いことこの上ない。
いっそのこと、大質量の錬成をして干上がらせてしまおうか。
そんな危険な思想が鎌首をもたげかけた時、視線の先に小さな赤い点が見えた。それは近づくうちに松明の光だとわかる。それに松明に照らしだされている二人はエドワード君とリン君だ!二人は数本の柱に囲まれた円盤の上にいた。
自然と歩調が速くなる。

「エドワードくーーん!! リーーンくーーん!!」

「ソフィアさん! 無事でよかった!!大佐と中尉がめちゃめちゃ心配してたぜ」

「おイ、それよりあれを見てみロ」

リン君、それよりとはなんだ。エドワード君は心配してくれたのに。と思いつつもリン君の言う方を見る。

「あらら… 灯りが見えるからまさかと思ったら、お前らかよ。てかなんで霹靂も?」

「細男………」

いや、エンヴィーと呼ばれる人造人間か。

「出口教えてください!!」

「いきなリ下手!?」

エンヴィーの姿を認めたエドワード君は速攻で下手に出た。
まぁその気持ちも分からなくはない。エンヴィーは樽男と同じ人造人間だ。リン君は不満そうだが、おそらく、と言うよりこの空間について何か知っているのは確実だろう。

「私にも教えてください!!」

「ソフィアさン!?」

だって死んじゃったら元も子もなくなってしまう。死んだら終わりなのだ。だから、死なないためには敵に身売りするのも厭わない。
エンヴィー、早く出口を教えてください。

「出口なんてないよ」

「ないことはないでしょう? 入口があったんだから」

私がそう言うとエンヴィーはエドワード君に鋭い目を向けた。

「ここは腹の中であり腹の中じゃあない。鋼君はここがどこだかもう気づいてんじゃないかい?」

その言葉にエドワード君は思案の顔を作る。

「そういやグラトニーに飲まれた瞬間… あの感覚どこかで……」


「覚えがあるだろう?鋼君は過去に経験してるんだから」

エンヴィーのヒントはエドワード君を答えに達せさせたようで、エドワード君は答えが意外なのか目を見開いた。

「真理の扉…! でもっ あそこはこんな暗闇でも血の海でもなかった!! 白い空間にデカい扉があって……」

「へぇ、本物はそんな場所なんだ」

「本物!?」

「そう、ここは、グラトニーは、お父様が作った擬似真理の扉だ。本物になれなかった失敗作だ。だから現実と真理の狭間にある。出口も出る方法もありはしない。みんなここで死を待つしか無い………!!」


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