第3部 始祖の祈祷書
第8章 コルベールの研究室
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戦闘前にこの世界に来たのだろう。
武装は完璧に残ったままだ。
ウルキオラはそんな事を考えながら、突っ立っていた。
そこに1人の、長い桃色のブロンドを誇らしげに揺らした少女が現れた。
ルイズは、ウルキオラとその側にあるものを、交互にじろっと見つめた。
それから、怒ったように指を突き出して「なにこれ?」と呟いた。
ウルキオラは振り向いた。
しかし、なんの言葉も発さずに向き直った。
「ちょっと、無視しないでよ!」
ルイズは、ぐっと唇を尖らせて、ウルキオラの服を引っ張った。
「なんだ?」
ウルキオラは怠そうに答えた。
「どこ行ってたのよ」
「お前には関係ない」
「ご主人様に無断で行くなんて、どういうつもり?」
ルイズは腕を組むと、ウルキオラを睨みつけた。
ルイズの目の下にはクマができている。
「クビと言ったろう」
ウルキオラはそう言って、ゼロ戦に向き直る。
あの時、寺院の中で聞こえた声は一体…と、全く違うことを考えていた。
ルイズは下を向き、泣きそうな声で言った。
「べ、弁解する機会を与えないのは、ひ、卑怯よね。だから、言いたいことがあるんなら、今のうちにいいなさい」
「シエスタが接吻してきた。それだけだ」
「あのメイドからやったの?」
「そう言っているだろう」
ウルキオラは冷徹な目でルイズを見つめた。
ルイズは、ウルキオラを睨んで、う〜〜〜〜と唸った。
ウルキオラの袖をルイズは引っ張る。
謝りなさいよ、とか、心配かけたくせになんで偉そうなのよ、と呟いたが、ウルキオラはもうルイズを見ていない。
ゼロ戦に触れ、何かを考えている。
ルイズは、自分の早とちりだったと感じた。
キュルケの言う通りだった。
そのおかげで、部屋にこもりきりになり、外にも出ないでいじいじしていたことが情けなかった。
悲しくなって、ルイズはとっておきの必殺技を出した。
なんと、泣き出したのである。
「一週間以上もどこ行ってたのよ。もう、ばか、きらい」
ずるっ、えぐっ、ひっぐ、とルイズは、目頭を手の甲でごしごし拭いながら泣いた。
「何故泣く?」
ウルキオラは心底理解できていないようだった。
ウルキオラが振り向くと、ルイズはますます強く泣き始めた。
「きらい。だいっきらい」
そこにキュルケたちが現れた。
手にモップや雑巾を持っている。
どうやら、あの手紙の内容は、サボった罰として、掃除を命じたものだったのだろう。
ウルキオラは貴族でも生徒でもないので、関係がないのだった。
ギーシュは泣いているルイズと、それを見ているウルキオラを見て、にや
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