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ウルキオラの転生物語 inゼロの使い魔
第3部 始祖の祈祷書
第8章 コルベールの研究室
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棚だった。

ぎっしりと、書物が詰まっていた。

羊皮紙を球に貼り付けた天体儀に、地図などもあった。

檻に入った蛇やトカゲや、見たこともない鳥までいた。

埃ともカビともつかぬ、妙な匂いが漂っている。

ウルキオラは思わず顔を顰めた。

「なあに、匂いはすぐに慣れる。しかし、ご婦人方には慣れるということはないらしく、この通り私は独身である」

聞いてもいないことをコルベールは呟きながら、椅子に座った。

そして、ゼロ戦の燃料タンクに入っていたガソリンを入れたビーカーを机の上に少し垂らした。

『固定化』の呪文をかけられたゼロ戦の中にあったガソリンなので、化学変化は起こしていなかった。

「ふむ……随分と気化しやすいようだな。これは、爆発した時の力は相当なものだろう」

コルベールはそう呟くと、手近な羊皮紙を取り、さらさらとメモを取り始めた。

「これと同じ油を作れば、先程と同様にあれは飛ぶのかい?」

ウルキオラは頷いた。

「ああ…飛ばしてみたが、大きな損傷は見当たらなかった」

「おもしろい!調合は大変だが、やってみよう!」

コルベールはそれから、ぶつぶつと呟きながら、ああでもない、こうでもないと騒ぎながら、秘薬を取り出したり、アルコールランプに火をつけたりし始めた。

「いやいや、君の世界は素晴らしい。映像を見たときもそりゃ驚いたが、実物を見るとこれまた凄いものだ」

「お前は変わり者だな」

ウルキオラは微笑しながら言った。

「私は、変わり者だ、変人だ、などと呼ばれることが多くてな、未だに嫁さえ来ない。しかし、私には信念があるのだ」

「信念?」

「そうさ。ハルケギニアの貴族は、魔法をただの道具としか捉えておらぬ。私はそうは思わない。魔法は使いようで顔色を変える。従って伝統に拘らず、様々な使い方を試みるべきだ」

コルベールはそう言った後、ふと思い出した様に言った。

「して、あの飛行機は君が見せてくれた映像の物とは違っていたな…あれは…」

「あの飛行機…ゼロ戦というが、あれの進化版と捉えて貰えばいい」

「ほう…進化版とな」

「そうだ…ガソリン任せたぞ」

「任せなさい!ウルキオラ『君』」

コルベールは満面の笑みで言った。




アウストリの広場に置かれたゼロ戦のプロペラの前で、ウルキオラは佇んでいた。

『イーヴァルディー』の能力のお陰で、このゼロ戦の全ての構造、武装を理解したところである。

エンジンは栄ニ一型 1130馬力。

最高速度は565km/h。

航続距離1921km。

20mm機銃 100発。

7.7mm機銃 700発。

60kg爆弾 2発。

恐らく、
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