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SWORD ART ONLINE ―穿つ浸食の双刀―
13:暗闇を払う者
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「――――おぉぉ??????」

ジャスト五十回のところで、ひしゃげた金属が真紅のエフェクトを放ち始める。武器製作を初めて見た僕とキリトは感嘆の声を漏らす。

形は段々と片手長剣のそれに姿を変えていき、やがて一振りの片手長剣が姿を現れる。純白に近く、しかしそれは薄い(みどり)を足したかのような鮮やかな色。途方もなく美しいフォルムだ。

「名前は《ダークリパルサー》。??????《暗闇を払う者》ってところかしら。私が初耳って事は、情報屋のメーカーには載ってない筈よ。試してみて。」

リズベットからキリトに純白の(つるぎ)が手渡される。重みを確かめるかのように数回上下させ、スキルを発動。

「??????重いな、いい剣だ」

「ホント!?やった??????!!」

キリトの一言に、渾身の笑みすら浮かべるリズベット。ああ、もしかしたら彼女もキリトの事が――――

「――――ねぇ、キリト。代金はいいから、これから私をあんたの専属スミスにして?これから毎日ここに来て、剣のメンテナンスをさせて???????」

「それって??????」

リズベットが思いを伝えようと「私??????」と言い始めたところで、バンッ、と勢いよく扉が開かれる。

「リズッ!!」

飛び込んできたのは、栗色のロングヘア。赤と白が縁取る服は、ギルド《血盟騎士団》の団服。間違いなく《閃光》のアスナだ。

当然その介入に驚きを隠せないリズベットであるが、次いで驚きの声を上げたのはアスナだった。キリトがいるから。

「??????ああ、俺とアスナ、それにハリンは攻略組なんだ」

そしてこのネタばらしである。長い間引っ掛かっていた物の謎が解けた時のような表情を浮かべるリズベットに軽く同情の視線を送る。並んで立つキリトとアスナはまるで夫婦のようで――――

「ごめん、仕入れの約束思い出しちゃった!!三人で留守番宜しくっ!!」

リズベットが店を出る。一瞬涙が溢れたのを見逃さなかった。

「キリト、リズベットの所に行け。たぶんこの階層の何処かだ」

「??????分かった」

僕の真剣な眼差しから何かを感じ取ったキリトは店を後にし、リズベットを追い掛ける。

――――後に聞いた話しによると、リズベットは小さな川の近くで泣いていたらしい。それは失恋の涙だと悟った僕だが、キリトには分からなかったらしい。その後で、リズベットは今までの中で最大級の笑みを浮かべたそうな。


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