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SWORD ART ONLINE ―穿つ浸食の双刀―
13:暗闇を払う者
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対象を比較して見えてくるのは、言うまでもなく異常に異なる人物像。僕とキリトでは、当然と言って良い程キリトが勝っている。改めて自分の弱さを痛感する。嫌と言う程に。
「ねぇ、キリト??????手、握って???????」
「??????ああ」
リズベットの差し出した手に重ねるようにキリトも手を差し出す。それはさながら恋人のようだ。
「キリトの手、あったかいね??????仮想世界だから、温度なんて感じない筈なのに??????」
「リズ??????」
――――仮想世界であっても、人の温かみは感じられる。
おそらくキリトはそう思ったのだと憶測を立てる。それでもキリトは、リズベットの言葉に返事をする事が出来なかった――――
* * * * *
「んんーっ??????!!」
翌朝、設定していたアラームが鳴り響く少し前に起床し、大きく伸びをする。直後に鳴ったアラーム一瞬で止め、昨夜の仮説の基行動を開始する。
「おはようハリン。随分と早いな」
「キリトこそ、僕の中では寝坊助で昼頃まで起きてこないイメージがあったんだけど」
「どんなイメージだよ」
他愛のない会話。これが平和な日常、とは言い難いだろう。何しろデスゲームの中なのだから。
「で、キリトは何か目的でも?」
「ん、ああ、ちょっとここら辺でも掘ろうかなって」
なるほど、つまり僕と同じ仮説を立てたと。
《ドラゴンは水晶を生きる糧とし、お腹の中で金属を生成する》か??????。つまり、金属とはドラゴンの中から外に出されたもの。簡単に言えば排泄物だ。汚いが。
「んん??????んー、よく寝たぁ??????」
数分後にリズベットも起床。「何をしている」と質問されたので、キリトが見付けた金属を差し出す。本当は触りたくなかった。
「あ、これ、金属??????!!けど、どうして?」
「ドラゴンは水晶をかじり、腹の中で金属を生成する、って言ってただろ?つまりそれは、ドラゴンの排泄物だ。ンコだ。ついで言うと、ここはドラゴンの巣。夜帰って来なかったのは、たぶん夜行性だったんだろうな」
リズベットはキリトと金属を数回交互に見た後に、悲鳴を上げて金属をキリト投げる。
「ま、何はともあれ目的は達成だな」
キリトはそれを微動だにせずキャッチし、ストレージに収納。リズベットは自身の手を苦い顔をしながら見ていたのは言うまでもない。
「??????ねぇ、あんた今、ここはドラゴンの巣とも、夜行性とも言ったわよね???????って事は??????」
意図せずしてリズベットの言わんとする言葉を悟った僕は、遥か頭上を見上げて青ざめる。
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