暁 〜小説投稿サイト〜
SWORD ART ONLINE ―穿つ浸食の双刀―
13:暗闇を払う者
[1/5]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


ギャリィン!!

落下する中で体勢を立て直し、右手に持った愛刀――――《フレイム・シン》を壁に突き刺す。

「くそっ??????止まれよっ、止まってくれっ??????!!」

そんな事など微動だにせず、スピードは上がるばかり。このままでは――――。

「うぁっ??????!?」

愛刀が悲鳴を上げる中、僕の手は寒さからか感覚を無くし、柄を握っていた手がほどかれる。これは??????まさかまさか――――

「ああぁぁぁぁぁぁっ!?」

そのまさか。先程よりも速い落下、Gがかかるとはこの事なのだろうか。

ズドンッ!!!!

仰向けの状態で着地――と言うよりは着弾の方が正しい気がする――し、空を仰ぐ。そのついでにHPバーも視野に入れてみるが、一秒毎に減っていく量が尋常ではない。

何とか残り四割程度の所で減少は止まる。途中で速度を落とさなければどうなっていた事かとひやひやした。

「よい??????しょっと??????!!」

そのまま埋もれておく訳にもいかないので、何とか自力で這い上がる。こればかりは惨めだとか言われるのは理不尽だろう。

「これ、飲んどけよ??????一応」

「ん??????ありがと」

漸く念願の地上に這い出たところで、キリトとリズベットを発見する。

キリトの残存体力は一割程度、リズベットは四割弱と言ったところだろうか。キリトの行動が項をなしたのは言うまでもない。

「しかし、ここからどう脱出しようか??????救援が来そうでもないし??????」

「結晶を使えばいいじゃない。??????転移、リンダース!!」

真剣に考える僕を尻目に、普段通りの行動を取るリズベット。当然結晶は反応を見せない。それもその筈だ。態々(わざわざ)こんな大穴を作っておいて、「転移したら帰れます」などという楽な脱出方法は用意しないだろう。

「あ、じゃあ俺からも一個提案。壁を走って登る」

かなり真剣な顔でそう提案するキリトに対して、僕は失礼だと思いつつも脳内で《馬鹿》という単語が通り過ぎた。

「??????馬鹿?」

リズベットはそう声を漏らす。まさか考えが一緒だとは。仲良くなれそうだ。まぁ、ここで「あなた僕と気が合いますね。仲良くしましょう」などと言える度胸は持ち合わせていないが。相手がリズベットでなければ言えたかもしれない。

「馬鹿かどうか試してみるか??????ふっ??????!!」

顎に指を当てる推理ポーズを無駄に繰り出してからそのポーズを解き、キリトは軽く助走をつける。

次いで大きく跳躍。そのままみるみる姿が遠くなる。

「うっそぉ??????」

リズベットが驚くのも可笑しくはない。これにはさすが
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ