第九話
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ら全く違うっていうのは予想して無かったぜ・・・!)
最初の事件でも、何故かなのはが妙に手間取っていた。本来なら、最初の敵は、なのはの異様に硬い防御を貫けず、ほぼ一方的に倒される筈だった。それが蓋を開けてみれば、彼女は危うく撃墜されかけている。
現実とフィクションは違う。それは彼にも分かっている。だが、こうまで彼の記憶との食い違いがあると、他の記憶もアテにできるのかが分からなくなる。
―――特に、この事件の黒幕は本当に彼女・・・プレシア・テスタロッサなのか、とか。
(マジで勘弁してくれよ・・・犯人が本当にプレシア・テスタロッサなら、事を荒立てずに懐柔する手立てだってあったんだぞ・・・)
そう。それが、彼が原作への介入を決めた最大の理由。彼の知る原作より、ずっといい未来に出来るかも知れないという、淡い期待。ほぼゼロに等しい確率ではあるが、もしそれが可能なら、この悲しすぎる事件をハッピーエンドに変えることすら可能だったはずだ。
勿論、それをすることで、未来は変わるだろう。恐らく、『A's』のストーリーも少しずつ変わっていった筈だ。そこからは、『原作知識』が使えない・・・というのは、彼も理解していたし、覚悟していた。
・・・だが、こんな序盤から躓くとは、流石に予想しなかったのだ。
(せめて、今日の戦闘にフェイトが出てきてくれれば確定だったんだが・・・。まだ地球に来てないのか、今日の騒ぎに気がつかなかったのか・・・それとも、本当にプレシアの仕業ではないのか・・・)
変な話だが、今の葵は、フェイトに出てきてほしいと思っている。彼女が出てきてくれれば、少なくとも黒幕がプレシア・テスタロッサなのだと安心出来るからだ。それは少なくとも、大筋のストーリーに変化がないことを意味するからだ。
(・・・敵に出てきてほしいなんて・・・変な話だけどな・・・)
落ち込む葵だったが、直後にマスターの持ってきたケーキと紅茶を見て、少しだが気分を向上させる。そして、すずかの家で新作ケーキを食べられなかった鬱憤ばらしのように、その後3個もお代わりするのだった。
・・・勿論、お菓子は別腹なので、夕食はキッチリ残さず食べた事を、ここに明記しておく。
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