第一部 学園都市篇
第3章 禁書目録
27.Jury・Night:『Blade Arts』U
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」
《《………………》》
片方は、呆気に。もう片方は明確な怒気に。口を開く事もなく、ただ息を潜めて。
《愚か、だぞ。対馬君────自ら生存の可能性を捨てるとは、ね》
「ハッ、阿呆かよ。莫迦じゃあるまいし……テメェらの神様も含めて、こんな邪神を信じるか」
ペッ、と唾を吐き捨てて長谷部を構え直す。この場に集う全員を嘲笑うかのように口角を吊り上げて笑いながら、再び“合撃”の構えを。
「俺が信じるのは────俺が鍛え上げてきた練武のみだ……!」
「生意気ねぇ、貴方ぁ」
「ムカつくな、ねぇ、蔵人さ──」
蛇髪の女と触手足の男が、嘲笑いながら槍騎士に語り掛けて……凍り付く。
《小僧が……よくぞホザイた! では貴様が生きている内に両手両足を削ぎ落とし、あの小娘が自らグラーキの棘を望むまで犯し尽くしてやろうぞ!!》
激昂し、槍騎士は十文字槍を構えて足場を踏み砕きながら肉薄した。足首を狙い、二度三度と繰り出される槍“芝搦”。
もしも足をヤられれば、数に圧殺される。槍騎士の述べた通りとなろう。全くもってゴメンである。
刹那、槍が上段に抉り込まれる。読み違えたのだ、今までのモノは“芝搦”ではなく“五月雨”。
即ち、躱しようの無い技であり────
『裏柳生新陰流兵法────』
繰り出された槍を躱す事無く。命中の瞬間まで、しっかと見据えて。
「“肋一寸”」
《ガ────》
最早、十文字槍を見慣れてしまったから。脅威ではあれ、恐怖など無く。
『衣服のみ』を斬らせ、繰り出された平刺突。その一撃は、装甲を破る事は能わぬが……槍騎士の兜の覗穴の右側に抉り込まれていた。勿論、そこに在るだろう眼球を潰して。
《───────────グァァァァァァァがァァァァァァ!??!》
「く、蔵人さん!?」
「や、やれ……今すぐにあの餓鬼を殺せ、ゾンビども!」
さしもの槍騎士も、眼球を潰されてはのたうち回る他に無い。その有り様に慌てたか、蛇髪の女と触手足の男は、周りの屍どもに指令を下す。
上位存在からの指令に、元々意思を消されている屍は当たり前ながら応える。一斉に、襲い掛かり────
「“永久は無い。永久は無い。汝ら、刹那の夢に揺蕩う者”」
響いた声、饐えた地底の空気を揺らして。それに、屍どもは一斉に動きを止めて。
「な、何をしているの、貴方達!」
「早く、早く、殺せ────」
狂乱する二体の怪物の金切り声、それすら……空しく聞いて。
「“我が声は安らぎ。我が声は安寧。今、この時、在るべき姿に還れ”」
刹那、崩れ去る。緑色
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