Interview12 オトギノヒブン −Historia of “Tales”−
「偶然じゃなく必然なら」
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実家のネームバリューを利用して、エレンピオスで有名な歴史学者巡りを敢行中だ。いずれリーゼ・マクシアの古い語り部なども、ユルゲンス経由で訪問する予定だとか。
――ページを繰っていると、マナーモードにしていたGHSが鳴動した。
着信の相手は、ノヴァ。
ルドガーはレイアに断り、閲覧室を出てから電話に出た。
『うう……助けて、ルドガー、ヘルプミー』
「また借金関係か?」
『それが……差し押さえの相手が、すっっっごい怖い人なんだよ〜! 水が5秒でお湯になる勢いで睨んでくるしっ!』
「それでも取り立てるのが銀行員の仕事だろ。俺にしてるみたいに強気で行けよ」
『ムリムリムリ! 今度だけだから! 助けて〜』
ルドガーは長く溜息をついた。こういうところで「お人好し」を発揮してしまう自分自身に対して。
「――場所、どこだ」
『ディールだけど。来てくれるの!? マジ!?』
「今から行く。駅で待ってろ」
『やったー!』
電話を切って、閲覧室に戻った。
いまだ文献とにらめっこしているレイアの隣の席に座り直す。
「電話、ノヴァさん? 取り立て?」
「正解。今回に限り、俺じゃなく別件。相手が怖いから助けてくれって」
「行くの?」
「まあ……」
そこで二度、GHSが鳴動した。着信の相手は、ヴェル。
ルドガーは、今度は断りを入れず、閲覧室を出てから電話に出た。
『分史対策室です。「道標」存在確率:高の分史世界を探知しました。捜索をお願いします。場所はディールです』
「ディール?」
『? 何か』
「いや、さすが双子。さっきノヴァからディールに来いって要請受けたとこだったからさ」
『言っておきますがルドガー様、クルスニクに関係することは』
「他言無用、だろ。分かってるよ。今から向かう」
電話を切る。
(『道標』があるならエルも呼ばないと。エルが来るならエリーゼも来るな。レイアには残って、イリスと一緒に調査続けてもらおうかと思ったけど。この分だと結局、全員集合になりそうだな)
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