Interview11 1000年待った語り部 V
「ちょっと刺激が強すぎたかな」
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処分される。ここはそういう世界だ。クォーター連中はともかく、ハーフまで行ってる俺と、スリークォーターのユリウス、あとは初回でフル骸殻なんてかましてくれちゃったルドガー君。君もね。みーんな等しく絞首台に括られてるってわけさ」
レイアから新聞記者の面が落ちかけた。死、と聞いて動揺せずにいられるほど、レイアの心はまだスレきっていない。――決して自分の名がそこに含まれたからと自惚れは、しない。
「俺も、ですか。でも俺の骸殻は、偶然」
「偶然で発動するほどフル骸殻ってのは生易しい能力じゃない」
リドウはまるで、芸術家が己より優れた芸術家に嫉妬するようなまなざしで、ルドガーを射抜いた。
「そ……れが、何で、処分なんて話になるん、ですか」
「そこが『オリジンの審判』のえげつないとこでね」
リドウの視線がルドガーから外される。途端に呼吸が戻った気がして、ルドガーはこっそり深呼吸した。
「カナンの地に行くには5つの『道標』が必要。でもね、『道標』はあくまで道標、かの地の場所を示しても、連れて行ってくれる物じゃあない。カナンの地に行くには特別な『道』をこっち側が用意しなきゃなんないの」
「道?」
「厳密に言うと『橋』。現世からカナンの地っていう異相へ渡るための架け橋が要る。それはクルスニク一族持ちって決まっててね。導師イリスによると、我らが始祖クルスニクがそういう内容で契約したんだとか」
「それは、どんな方法で架けられるものなんですか?」
リドウは待ってました、とばかりに、組んだ両手に顎を乗せ、厭らしい笑みでルドガーとレイアを見据えた。
「『魂の橋』。強いクルスニク血統者を殺して、その魂で橋を架ける。『カナンの地』に入る唯一の方法だ。つまり、俺も君もユリウスも、エージェント連中も、社長の中じゃ等しく生贄候補なんだよ」
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