Interview11 1000年待った語り部 V
「そういう両想いなら大歓迎っ」
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まぎれてレイアが他に言いたいことが言えなかったらと、今さらに心配になった。
横を歩いていたレイアは、何故か照れを浮かべ、目線を泳がせながら言った。
「ちょっとでもルドガーに、日常ってもの、思い出してほしいな、なんて」
「レイア……」
「ほら、ここんとこずっと分史破壊任務だったでしょっ? だからさ、前みたいにしたら、ルドガーもちょっとは元気出るかな〜……なんて」
親しくなってからはレイアと取材旅行に行くのが当たり前だった。
絶滅危惧種の光葉のクローバーの栽培法を訪ねて自称学者のハイテンション男に会った。雪男を探すんだとモン高原に行ってビバークした。エレンピオス人密猟者を追ってバングラットズァームと戦った。きな臭い商会に張り込んで情報屋のジョウと知り合った。
思い出す。地道に就職活動をするかたわらで、レイアとハチャメチャな体験をするのが、ルドガーの「日常」だった。
「――俺、レイアのこと好きだなー」
「ど、どうしたのルドガー!? いきなり!」
「いや、何となく。レイアのそういうとこ、救われるなって」
「な、なんだ…そういう意味…びっくりさせないでよ、もー」
「ごめんごめん」
ほのかに赤く染まった頬を手扇で仰ぐレイアに、もう一声。
「レイアが友達でよかった」
ぱちくり。レイアはパロットグリーンの瞳を瞬かせ、そして、破顔した。
「わたしもっ。ルドガーはわたしの自慢の友達だよ!」
「両想いだな」
「うん、そういう両想いなら大歓迎っ」
二人は足取りも軽く、クランスピア社へ向かった。
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