マブラヴ
0854話
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夕呼との会談があったその日の夜、俺はホワイトスターにある家のリビングでオーストラリアの首相でもあるアンディーからの通信を受けていた。
「へぇ、夕呼は国連で進められている極秘計画の主要メンバー、と?」
『ええ。さすがに計画の詳細まではお教えできませんが、国連の方からその旨だけは情報開示の許可が出ました』
「動きが素早いな」
超能力者により頭の中を覗きこまれかけた事は、レモン達にしか言っていない。レモン達は最初非常に不愉快そうにしていたが、俺が全く気にしていないのを見て、やがて気持ちを落ち着かせていた。
エザリア達に関してはどうするべきか迷ったが、レモンからの要請で取りあえず一月という期限までは俺達の間だけで話を止めておくことにした。
戦力的には戦術機を殆ど評価していないレモンだが、それでもやはり技術班としては第3世代機には興味があるのだろう。上手くいく可能性は限りなく低いが、もしかしたら飛鳥計画の試作機も入手出来るかもしれないしな。
技術班的には、コレクションの意味の方が強いのだろうが。
それに、この世界に対する取引のカードは圧倒的にこちらが強い。……と言うか、強すぎる。食料にしろ、技術にしろ、兵器にしろ、どれか1枚でもこっちがほぼ無条件で勝てるようなカードだけに、ここでそこに1枚2枚追加されても大して意味は無いし。
『香月博士自ら報告してきましたからね。今回の件で仲介役でもある私達オーストラリア政府に迷惑を掛ける事を危惧したのでしょう』
「その割には、日本政府からは何も無いが?」
『一応、オーストラリアがシャドウミラーの窓口となっていますからな。ここでシャドウミラーとオーストラリアの縁が切れてしまう事の危険性からかと。それに、日本政府からの通信も来ています。ただ、一応今回の件の重要性を思えば私が仲介した方がいいかと思いまして。……それで、どうなさいます? よろしければ早速通信を繋ぎますが』
さて、どうするか。考えたのは一瞬で、すぐに首を横に振る。
「改めて会う必要は無いと伝えてくれ。シャドウミラーが今回の件を許す条件は既に伝えている。誠意があるのなら、それを実行しろとな」
その言葉が俺の口から出た瞬間、レモンを始めとした面々から呆れた視線が向けられる。
「全く、香月夕呼ってのはどうやら、余程にアクセルの好みにあったようね」
「確かにパーティで見た限りでは、アクセルとの相性は良さそうだった。どことなくレモンに似た雰囲気を持っている女だったし」
スレイが紅茶を飲みながら告げる声が聞こえてくるが、それは無視して話を続ける。
「それで、香月の件よりも大きな問題がある」
『……大きな問題?』
「ああ。ここ1週間程、どこぞの国の手の者と思われる奴等がこの基地に忍び込もうとしては
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