マブラヴ
0854話
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進剤に関しても同じね。戦術機でどう改造すればいいのかを技術者に対して詳細に説明する必要があるわ」
「別にこっちの持ち出しに関しては特に気にする必要は無いぞ? BETAの死体という、俺達にしか使えないが金になる木の如き存在があるんだから」
「違うわよ」
俺の言葉を聞き、即座に首を横に振るレモン。
てっきり、シャドウミラーからの支出について悩んでいたのかと思ったが、どうやら違ったらしい。
「いい? 技術というのは目標としている地点に到着するまでの間に幾つもの発見や、あるいは他の技術に流用できる新技術が見つかったりするのよ。往々にして、そういうのが技術的ブレイクスルーを起こすわ。けど、私達がポンと目標としている技術をあの世界に与えてしまったら、本来そのレベルに到達するまでに得る筈だった数々の技術が消えてしまうというのを意味しているの。それがちょっと惜しいと思っただけ」
「……なるほど」
確かに1997年の時点であれだけ戦術機を世界的に普及させているマブラヴ世界だ。技術的な発展の余地という意味では、マクロス世界やOGs世界よりも数段上と言ってもいい。
だが……
「それもこれも、マブラヴ世界が生き残ってこそだろ? その辺に期待しすぎて技術を与えなかった結果、人類が滅びましたとかになったら本末転倒だろ?」
「……そうなのよねぇ。そう考えると妥協案としては技術を与えつつもなるべく制限して、マブラヴ世界独自の技術発展を促すってところかしら」
レモンの意見に同意見なのだろう。マリューもまた頷いて口を開く。
「私としてもレモンの気持ちは分かるけど、アクセルの意見に賛成ね。人類が滅びてしまったらどうにもならないもの」
「そうなよね」
小さく溜息を吐いたレモンは、自らの出した妥協案で我慢することにしたらしく、再び報告書へと視線を向けるのだった。
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