第百九十一話
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第百九十一話 家に帰って
家に帰るとすぐにだった。
華奈子は美奈子にだ、あらためて言った。
「じゃあ」
「ええ、路上ライブね」
「そのことよ」
まさにという口調での言葉だった。
「やっぱり梨花ちゃん達とお話してね」
「決めた方がいいわね」
「そうよね、やっぱり」
「私達はいつもそうでしょ」
美奈子は冷静な口調で華奈子に返した。
「皆でお話してね」
「そうして決めるから」
「だからね」
それで、というのだ。
「皆とお話しましょう」
「それじゃあね、ただね」
「ただ?」
「うん、あたし達最近博士と何もないわね」
天本博士と、である。
「前は結構色々あったけれど」
「あの人ね、あの人は特別ね」
「名前通り破天荒だからね」
まさに天本破天荒なのである、年齢は二百億歳だ。
「何時何をしてもおかしくないけれど」
「何もしなくてもね」
「あたし達に関係あることをするとは限らない」
「それがあの人よ」
つまり行動パターンを読ませない人なのだ。
「だからね」
「何かをすることは」
「そう、私達は博士については」
「博士が動いてからね」
「いつもそうだったし」
「これからもね」
そうするしかないというのだ、こう話してだった。華奈子はあらためてそのうえで美奈子に対して言ったのだった。
「それでだけれど」
「うん、今度は何なの?」
「宿題しましょう」
美奈子は極めて冷静に華奈子に提案した。
「昨日した残りね」
「ああ、宿題ね」
言われて華奈子も頷く。
「そうよね」
「そう、残っていたでしょ」
「うん、それしないとね」
「宿題をして」
「予習もして」
「それからよ」
全てしてからというのだ、次のことをするには。美奈子は小学生の本分を第一にすることを考えていたのである。
第百九十一話 完
2014・12・5
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