暁 〜小説投稿サイト〜
【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第百六幕 「大逆転への下準備」
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能範囲内での全アニマスナンバーズの行動を分析していた。不利益をもたらす活動を行っているものの特定という任務は下っていないが、もし悪質であるならば最終的には内部粛清も必要になる。そう考えての行動だった。
そんな彼女の部屋に、招かれたんだか招かれざるんだかわからない来訪者が訪れた。

「部屋入るぞー……ってうわ!前に入った時よりもさらに散らかってんじゃねーか!」
「足元気を付けてね。コードが抜けたら色々と不都合があるから」
「もうこの機材の量になると個人の物とは思えねー……っと」

片手に何かを持ったままひょいひょいと機材を躱してあっという間に松乃の隣までたどり着いた少女は、テーブルの端に手に持っていたものを置いて一息つく。

「冷え冷えの新鮮スイカ持って来たぜ。食べやすいようにカットして爪楊枝を刺しておいたから、これで作業中でも食えるだろ?」
「ありがとう、(しょう)ちゃん」
「気にしない気にしない!友達だろ?」

人懐っこい笑みで肩を抱かれた松乃は戸惑いながらも頷く。
彼女の名前は浜鷸鈔果(はましぎしょうか)。彼女もまた特殊な組織に属するエージェント……では全然ない単なる馬鹿な一般人である。(こちらも忘れている人は七五〜八十幕辺りを参照)
松乃は未だに彼女の事をどこかの組織の尖兵だと思い込んでおり、また鈔果も松乃の事をちょっと行き過ぎたISマニアだと思っている、つまり相互カン違いの関係にある。

そんな訳だから鈔果はこの機材を、何か松乃の属するサークルのメンバーを追跡するようなアイテムだと思い込んでいたりする。ちょっと頭を捻ればおかしいと気付きそうなものだが、そこで気付かないのが馬鹿の馬鹿たる所以である。
色々と突っ込み所があると思うのだか、一人で勝手に納得して自己完結してしまうのもまた馬鹿の馬鹿たる所以(ゆえん)。特に質問もしないものだから松乃にも疑われないという馬鹿ミラクルの真っ最中である。

「で、例の仲間外れ探しはどうなんだ?」
「取り敢えず、20番台のナンバーってことは絞れたかな」
「……なあ、やっぱりお前28番を疑っているのか?」
「――それは………」

言いにくそうに鈔果が口に出した問いに、松乃も顔を顰める。

28番――アニマス28。
かつて2人が侵入した最上重工にて、同時期に別の任務遂行のためにいたもう一人のアニマスナンバーの事だ。彼女は鈔果に16(松乃)の危機を知らせるという越権行動をしていることがすでに確認されていた。
これは、一切のミスを許さないアニマスシリーズには決して許されない行動だった。
アニマス達は、完全に自身を擬態し、完璧に役割をこなす事こそが存在意義。
内部情報を他人に漏らすなどあり得ない暴挙だった。

調べてみれば、これに類似する行動を取っている個体は他
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