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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第百六幕 「大逆転への下準備」
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やらスーパーモードになっている鈴ちゃんは全く人の話を聞いていない上に自衛隊も眼中にないらしく、虚空に浮かぶ巨大球体とその陰に早くもアプローチを仕掛けるつもりらしい。余りのガン無視ぶりに思わず責任者の方に伺ってみると、山田先生はもうちょっと慌てても良さそうなこの場面で実に冷静な表情を見せていた。
『佐藤さん、今の鈴さんの指示に従ってくださいね。今の彼女なら大丈夫です』
「や、山田先生?なんかいつものイメージだとこういう時の先生はもっとアタフタ慌ててる印象なのですが、今日は妙にキリッとしてますね?」
『えへへ、どうですか?教師の威厳あります?』
「たったいま崩れました」
『………ぐすん』
恰好がつかずに涙を拭おうと目元に手をやったら指が眼鏡に衝突し、眼鏡がおでこに衝突。山田先生は「いたっ!」とのけぞった拍子にひっくり返ってホロモニタからログアウトしてしまった。子犬が苦しむような切ない悲鳴がマイクを通して響く。やっぱりドジだこの人。
取り敢えず私の知らない何かを知っている雰囲気はあるけど、まやちーも覚醒したとかそう言う事ではないらしい。ちょっと安心した。
『で、そう言う訳だから成金羽女はそっちの子の言うこと聞いてりゃいいんだよ。分かった?』
「わたし、成金羽女とかいう訳の分からない名前じゃないので自由判断させてもらいます、通信終わり。レーイチ君、博士との通信切断しちゃって?」
《了解》
『あ!こら、ちょっと勝手に私の出番を――』
ぶつん。
よし、これで心置きなくトラブルに巻き込まれることができる。やったねみのりん!(←佐藤さんの小学校時代のアダ名)これで思う存分未知なる世界へ飛び込めるよ。
「って飛び込んじゃ駄目じゃん!!」
《だが飛び込んでもらう。それとも佐藤さんにとって囚われた彼はその程度の存在なのか?》
「え?へ?あの、それって比喩とかじゃ無くて……私があの影に飛び込むってこと?」
ぴっと黒い影を指さして問う。スーパー鈴はこくこくと頷いた。
「マジでやるの?」
やはりスーパー鈴はこくこくと頷く。
「……………」
《もしや、話を聞いていなかったのか?》
「本当にごめんなさい。もう一回聞かせてください」
かいつまんで話すと、つまりは下記のように纏められる。
忘れている人もいるかもしれないが、ベル君を飲みこんだのは巨大な球体とその下に広がる影(第十二使徒レリエル)である。上の球体に実体は存在せず、影の中には虚数空間が広がっているため対処法がはっきりしない。
スーパー鈴ちゃんによるとあの真っ黒い影は、入り口は下の影にあるのに出口は幻影と思われる上方に存在するそうだ。影の中に広がる虚数空間を覆う謎のフィールドを表しているのが上方の球体らしい。
そして今からスーパー鈴ちゃ
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