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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第百六幕 「大逆転への下準備」
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「隊長!もうよろしいので?」
「隊長!どこか痛い所はありませんか?」
「隊長殿、ISの応急修理は出来てるぞ」
「お前たち……心配をかけたな。言葉も、手間をかけさせた」
「ふん、次からは気を付けろよ!仮にも私が実力を認めた同期なんだからなっ!」
やいのやいのと盛り上がる自衛隊あさがお部隊+元同僚。気絶していた祇園寺が目を覚ましたことで色々と体勢を立て直し中なのだ。
言葉先生と祇園寺一尉は学生時代の級友で、黒田二尉もそうだったためにちょっとした同窓会だ。ちなみに千冬も同じく同期らしい。ある種日本のトップエリートの集いだ。
言葉は教師として子供たちを守る操縦者へ、祇園寺と黒田は国を守る操縦者へ、そして千冬は国の代表として剣を振るう操縦者になった。あの頃の同期でパイロットを未だに続けているのは彼女たちくらいのものである。
そしてその誰もが、奇しくも己の求めるところに今一歩手が届いていない。
「……ぼやぼやしてはいられんな。黒田二尉、状況の報告を頼む。……このまま基地に戻ったら辞職ものだ」
「その時は付き合ってやろうか?お前の居ないあさがお部隊に用はないしな」
「なら私達はどうしましょうか?一応隊長の遺志を継いで残るべきですかねー?」
「それ以前にあさがお隊に席が残るか疑問です」
「こらお前たち!戦士たる者が負けた時の事ばかり口にするな!自衛隊は護国の剣だろうが!!」
とうとう自衛隊でもない言葉が喝を入れる始末だが、とにかくあさがお部隊の士気はどうにか持ち直していった。
と、そこから少し離れた所で巨大な闇の様子を穴が開くほど伺っていたジョウが他の面々を呼ぶ。
「おーいお姉さま方!援軍が来たので………この暴徒鎮圧用ワイヤーほどいてもらえる!?」
「……何故彼は拘束されているのだ、お前たち?」
「いやその、放っておいたら一人で例の影にツッコミそうだったもので……僭越ながら、自分が捕縛したのであります」
見ればそこにはワイヤーで簀巻きにされたIS学園協力者の姿。
余りにも単独突入を敢行しようとするものだから強引な手段を取らざるを得なかったという。
てへっと舌をちろりと出した加藤に、何とか笑顔を作りつつも内心でちょっと引く祇園寺だった。
そしてその援軍なのだが――佐藤さんは困っていた。
元々援軍は佐藤さんだけの筈だったのに、いつのまにやらこの鈴ちゃんに……乗り移ってる?謎の人格さんと一緒に現場に来てしまっているのだからそりゃ困る。しかもこの状況に何故か山田先生と篠ノ之博士が疑問を抱いていないのだからさらに困っている訳である。
《時間がない。佐藤さんよ、準備はいいな?》
「え、良くないですけど。というか山田先生?私って鈴ちゃんを引き留める係だったんだけどその辺どうなんですか?」
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