暁 〜小説投稿サイト〜
【艦これ】艦隊これくしょん・闇 激戦!深海の亡霊、闇艦娘との闘い
二艦合魂、雷電!
第01話
[8/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初
見たことは他言無用。お前自身、今日のことは無かったこととしてくれ」

「それって……深入りは大やけど、ってことかしら?」

「そういうことだ……」

 沈黙が流れる。
 重苦しい空気が司令官室中を満たす。

「実は俺自身も、上から釘を刺された……この件については詮索無用。記憶から消したまえ。とな」

「そうなんだ……それほどにヤバい件なんだね……まさか艦娘が合体するなんて……初めて見たわ」

「俺だって初めてだ。電話越しだったが、上の方々も動揺していたよ……」

 俺は手に持っている報告書に目を通す。

「雷電になったパラメータ値……数値的には、雷と電の値が単純に足し算した値になっている……これは脅威的なことだ……」

「確かにとんでもないことだけど……でも雷ちゃんと電ちゃんのパラメータ値を足し算しても、私の値には届かないわ……だけど、雷電は絶対に私よりも強いわよ? ……私が敵わなかった響・黒よりも強かったんだから、雷電は……」

「実際には数値以上のポテンシャルを秘めているってことだな……」

 再び沈黙が流れる。
 俺は帽子を目深にかぶり直し、陸奥の方を振り返る。

「この部屋を出たら今日のことはもう忘れてくれ……すまないな、陸奥」

「あらあら、ならお部屋から出ないで、ずっとここにいようかしら」

 陸奥は俺を挑発するように身をくねらせる。

「からかうな……俺はすることがあるんだ。すまないが席を外してくれ……」

「あらあら、フラれちゃったわね。じゃあドッグでも見てこようかしら」

 陸奥はひらひらと手を振りながらウィンクをし、司令官室をあとにする。
 俺は電話の受話器を手にし、ダイヤルを回す。
 この電話は上と繋がっている守秘回線で、上との連絡がとれる唯一の連絡手段である。

「お待たせしてすみませんでした。艦娘には秘密厳守と釘を刺しましたので、情報が漏れることはありません」

『そうか……闇艦娘との二度目の接触、そして艦娘の合身……こちらとしても初めての報告だ。この件に関しては君の記憶から消去したまえ。そして君は今までと同じように任務をこなしてくれたまえ……くれぐれも情報の漏えいには……』

「了解であります」

 プツンッと電話が切れる。
 俺は小さく溜息をついて受話器を置いた。

「てーとくぅ!」

 突然バタァンッと扉が開き、ビクッとなる俺。
 そして雷と電が俺に向かって跳びついてきた。

「雷、電、もういいのか?」

「もう大丈夫だよ、提督。すっかり元通りだ」

「ご心配お掛けしましたのです」

 いつもの無邪気なふたりだ。
 俺は安堵の息を漏らす。

「なあ、雷、電……ふたりは今日の出撃のこと……憶えてるか?」

[8]前話 [1] [9] 最後 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ