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【艦これ】艦隊これくしょん・闇 激戦!深海の亡霊、闇艦娘との闘い
二艦合魂、雷電!
第01話
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要員で十分だっての』

 北上は陸奥からこそこそと離れ歩き、陸奥に聞こえないようにポソッとつぶやく。
 陸奥から離れていく北上は、小さなビニールの包みを踏んずけてズルッとなる。
 そして思いきりお尻から地面に着地してしまい、北上は臀部を激しく打ちつけてしまう。

『いったぁーい! 痛いじゃないのぉ!』

 雷はロリポップキャンディを口の中で転がしながら、悪いとばかりに手を上げる。

『悪りぃね、北上のねーちゃん。ゴミはきちんと拾わないとなぁ』

 電はビニールの包みを拾い上げ、北上に向かってヘッと意地悪く鼻で笑った。

『むかーーーーーッ! なんなのアイツ! 私が何したってのよぉ!』

 お尻をさすさすしている北上を、陸奥はやれやれな顔をして見下ろす。

『自業自得。自分で捲いた種。因果応報』

 図星な北上は何も言い返せない。
 北上は怨みがましい目で雷を睨みつける。

『雷、あいつ性格最悪! ってゆーか、雷ってあんな感じだったっけ? どっちかっていうと世話焼き女房なイメージがあるんだけど』

『ああ、雷ちゃんね……あの子はしょうがないのよ、あんなことがあったんだもの』

『へ? あんなこと?』

 不思議そうに陸奥を見上げる北上。
 一部始終を見ていた提督は、溜息をつきながら北上に言う。

『北上、さっさと出撃せんからそういう目に遭うんだ。はやいとこ出撃しろ』

 北上はほっぺたを膨らませながら、俺に向かって敬礼する。

『出撃します。水雷戦隊、出るよ』

 北上は海に向かって飛び込む。
 後を追うように他の艦娘達も海に飛び込む。
 艦娘達はふわりと海上に降り立ち、まるで地面の上に立つように海上に立っている。
 そして俺は艦娘達の頭上で仁王立ちになって浮いている。

 艦娘――
 軍艦の魂を抱きし武装乙女、と俺は聞かされている。
 艦娘は存在自体が極秘中の極秘なので、艦娘の提督である俺にすら情報はほとんど入っていない。
 艦娘達が言うには、軍艦の魂が艦娘に憑依し、軍艦と同じスペックの能力を得ることができるそうだ。
 これを艦娘達は憑着と呼んでいる。
 身体の内に秘めたる軍艦の魂は、艦娘を戦闘へと駆り立て、そして戦地へ赴かせる。
 全員ではないが、艦娘には軍艦の記憶が断片的に残っていることがあるらしい。
 なぜ軍艦の魂がうら若き少女達に憑依しているのかは謎である。
 艦娘自身、自分が何者なのか理解してはいない。

“すざざざぁぁぁッ”

 艦娘達は海上を滑るように海を進んでいく。
 まるでアイススケートのように優雅に海上を滑っていく。
 軍艦の魂を抱いている彼女達にとって、海は大地と変わらない存在なのだろう。

『さぁてとぉ、ここらで索敵と
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