第三章 魔女喰いの魔女
第十四話。深い霧の中で……
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もし俺の推測が正しかったら?
俺に近づいて来たのが演技だったら?
そう言った不安な感情に押し込まれそうになる。
「転入生の瑞江ちゃんと仲良しっぽいね?」
キリカが突然、そう聞いてきた。
「ああ、俺の席が彼女の前なのもあるし話してみたら面白い子だったからね、キリカも話してみたら面白い子だったろ?」
「うん、瑞江ちゃんって本当に面白いよね、なんて言うかな。毒舌クールなんだけど、どこか天然っぽい、みたいな」
「そうだね。ちょっと難しい属性だよな。
見た目は人形っぽいお嬢様なのにね」
「てっきりモンジ君ってああいう、ロリちっくな子が好みなのかと思っちゃたよ」
「いや、俺が好きなのは……」
「好きなのは?」
誰が好きかと言われたら俺の頭の中にはやはり……アリアの姿が浮かんだ。
もう会えないアリアの事はとっくに諦められたと思ったが……やはり抱いた想いはすぐには消えていなかった。諦めないといけないんだけどな。
続いて浮かんだのは……一之江の顔とキリカの顔だった。
「……皆んなの事が好きだよ?」
「……ねえ、モンジ君?」
そんな風に悶々としているとキリカが何やら興味津々な目で見つめてきた。
「私達……私はモンジ君の、なあに?」
「キリカは、俺の……」
「うんうん、俺の?」
嫌いかと言われたらノーだ。
キリカを嫌う要素なんてこれっぽっちもないからな!
ただ……。
いや、今はよそう。
それよりキリカをどう思っているのか、という事だが。
嫌いなわけない。むしろ、好きになる要素しかないな。
どう言えばいいか、こんな時に一文字ならどう答えるか?
そう思った俺は一文字が言いそうな返事をした。
「……俺のマイエンジェルだよ」
「俺の、とマイ、が被ってるよモンジ君」
「しまった!」
一文字の口説き文句は大失敗だった。
「クスクス、しかもエンジェルって」
「天使のように可愛らしいからだよ?」
「そう思って貰えてるなら、まあいいかな?」
んふふー、と笑いながら空を見上げるキリカの横顔に、なんとなくドキッとしてしまった。
______ドク、ドク、ドク。
心臓の鼓動が高まり、それと同時に血流の流れも速くなる。
「……ねえ、モンジ君?」
「ん?」
呼ばれた顔をキリカの方に向けるとキリカはかなり真剣な……潤んだ瞳で俺を見つめている。
「どうしたんだい?」
「誰もいない朝の公園。しかも霧に包まれていて、誰かに見られる可能性は少ない状況。
いくらドンピシャなタイプじゃないとはいえ、美少女と二人っきりでいて、何か思うところはないのかね?」
「き、キリカ?」
「最近、ちょっぴり小悪魔ちっくで、い
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