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101番目の舶ィ語
第三章 魔女喰いの魔女
第十四話。深い霧の中で……
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?」

「おいおい、人をあんな凶悪で最悪な『魔女』と一緒にするなよ!
私は『予兆』の『魔女』だぜ」

「予兆……の魔女?」

予言ではなく、『予兆』か。
違いがイマイチ解らないが未来予知や死相みたいなものが解るのか?

「本当は今すぐにでも勧誘したい所だけど」

「だけど?」

「勝手にお前さんを勧誘すると私の『マスター』が怒るからな、だから今日は挨拶だけにしとくぜ!
またな!」

そう言ったアリサの姿は台風の目を覆うように発生した深い霧の中に消えていく。
逃すまいと彼女が着ていた『市立十二宮中学校』の制服を掴もうとしたがスルリと躱されてアリサの姿は霧の中に消えていった。
霧が薄れてアリサの姿を確認したが……。

「……消えた??」

彼女の姿はどこにもなかった。
それからしばらく辺りを見回したが結局、アリサと名乗る『予兆の魔女』の姿はどこにもなかった。
仕方なく、モヤモヤした気持ちを持ったまま、俺はランニングを再開した。
目指すは市立十二宮公園。
日中は主婦達の憩いの場になる公園も、早朝はほとんど誰もいない。
だから『コード』探しの為にカメラ撮影をしても不審に思われる事もない……と思う。

「公園という場所には、何かしらの都市伝説がありそうな雰囲気あるしな」




辿り着いた公園は、霧がかかっているせいかとても幻想的だった。
この霧の向こう側から何か、怖い存在が現れたりしそうな雰囲気がある。
もしなんか現れたとしても、そういう恐ろしいものじやないといいな……そう思いながら、辺りをDフォンのカメラで撮影していると______

「ん?あれ?」

不意に自販機の側にあるベンチに目が向いた。
そこには、赤い点がぽつんと存在していた。

「血……か?」

恐る恐る近づいてみると______
そこにいたのは一匹の蜘蛛だった。
直後、記憶に、あの屋上で起きた出来事が思い浮かんだ。

「赤い、蜘蛛……?」

慌てて辺りを見回してみたが周囲には誰もいなかった。
念のため蜘蛛にファイティングポーズをとってみたが特に動きはなかった。

「ただの蜘蛛か……だけど屋上にいた蜘蛛に似ているな」

昨日の蜘蛛よりも大きい蜘蛛だった。全身が真っ赤で不気味な感じをする所とかも似ている。
俺の頭に『人面犬』や『人面魚』、あるいは『女郎蜘蛛』などが思い浮かんだ。
ああいう、不思議な生き物や妖怪も都市伝説に入るのだろう。
なら、こういう『真っ赤な蜘蛛』みたいな都市伝説もあるのだろうか?

「うーん、珍しい虫、みたいな都市伝説ってあるのかな?」

独り言を呟いて、Dフォンでその蜘蛛を覗こうとした時。
背後から明るい声が聞こえた。

「例えば、人を食べる虫、ってい
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