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日向の兎
1部
日向 ハナビ
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と言うべき物だ。
実際、この天之狭霧神は単体だけで考えると優秀ではあるもののそこまでの脅威ではない。しかし、姉様の柔拳と組み合わせる事で理不尽な性能となる。
姉様の強みはその必殺の柔拳を確実に当てるための手段の多さと、それを生み出す発想の柔軟性なのだろう。
「ところでハナビ、私に何か用があるのかい?」
「いえ、ただ姉様の修行しているところを見たかっただけです」
「ふむ…………照れるな」
「仮面越しなんですから頬の一つ位緩めながら言ったらどうです、ヒジリ様」
「いやいや、小躍りしそうなほどに喜んでいるぞ私は」
「……やめて下さい。色々と怖すぎますから」
ネジ兄さんはため息をつきながら木陰に座り込み、懐から一冊の本を取り出して読み始めた。いや、表紙から見るにメモ帳かなにかだろうか?
「ネジ兄さん、それは?」
「ヒジリ様からの課題ですよ」
「姉様からの?」
「ええ、日替わりのね。今日は……指定された点穴からのみチャクラを放出する事でチャクラのコントロールを鍛える」
メモ帳を読んでから兄さんは頭を抱えてしまった。
「あの、それって難しいんですか?」
「……ええ、とんでもなく」
「どのくらい?」
「そうですね……ヒジリ様に剛拳を防御させる位難しいです」
……それって無理じゃないのだろうか?そもそも姉様が手を抜いた時でも無ければ、殆どの体術は捌かれてしまうだろう。
「君には少々難しいだろうが……私の仕返しでもあるのだ」
「分かってますよ、ヒジリ様」
「仕返し?」
「ああ、ネジによって惨めな新年を迎えた事があってな」
姉様は私にとある新年にネジ兄さんが蕎麦を食べ過ぎた話をして、再び池の上に立ち気の済むまで姉様の修行を見ていいと言ってくれた。
池の水を操って様々な形に変化させつつ、柔拳の動きを行う姉様の姿は舞か何かを見ているようで、それに見入っている内に気が付けば日が傾き始めてしまった。
そして、私は帰り道で姉様に気になっていた事を一つ聞いてみた。
「どうしてヒジリ姉様は私やヒナタ姉様によくして下さるのですか?」
「そうだね…………君達は私に希望をくれたからだよ」








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