マブラヴ
0853話
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機寄越せ。それと、飛鳥計画とかいうのがあるらしいな。しかも既に試作機の完成も間近だとか。そのデータ各種を俺達に提供しろ。そうすれば、今回の件は無かった事にしてやる」
「待って! 不知火はともかく、飛鳥計画の方は幾ら何でも無理よ!」
「ほう? 横浜の魔女と言われているお前でもか? 大体、何の苦労も無く今回の件を水に流せる訳がないだろう。言っておくが、シャドウミラーとしては十分以上に譲歩しているんだがな。……いいか、一月だ。一月後にこれらの品が俺達に届けられていない場合、日本帝国はシャドウミラーの交流国としては一番下に変更させて貰う」
それだけを告げ、上半身を赤い下着と白衣だけという目の毒な夕呼をその場に残し、今度こそドアへと手を伸ばし……
飴と鞭にしても、鞭が強すぎるか。
ふと、そんな事が脳裏を過ぎる。
それに今の条件でも相当厳しいんだから、ここで更に厳しい条件と、それに付随する飴を付け加えておくか。
「少しでもやる気を出させる為に、条件をもう1つ付けてやろう。こっちはあくまでも達成出来ればという事になるが、先の条件に加えて飛鳥計画で現在作られている試作機が何機かある筈だな? その中の1機でもいい。シャドウミラーに譲渡するように働きかけろ。もしそれが成功するようなら、日本帝国を国交を結ぶ国の中でもオーストラリアに次ぐ重要度に認識してやる」
その言葉に、白衣をたなびかせながら俺の方を振り向く夕呼。
ちょっとサービスしすぎかとは思うが、第3世代機を作る事の出来る技術力を持っている国ならシャドウミラーとして関係を深めても損は無い。
それに、現在最前線でもある中国のすぐ近くにあるという立地も俺達から見れば素晴らしいからな。
ともあれ、言うべき事は全て言った。後は夕呼がどう動くかだ。この危機を好機とするのならそれもよし、何も出来ずに一月後を迎えるのなら、それもまた良し。
「ああ、そうそう。お前の知りたかった答えを教えてやる。俺達にこの世界を侵略するような気は一切無い。それは事実だ」
それだけを告げ、扉を開けて部屋を出る。
そのまま出口へと向かっていった俺の背に、椅子や机に対する衝撃音が聞こえてくるのだった。
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