暁 〜小説投稿サイト〜
とある六位の火竜<サラマンダー>
事件のはじまり
[1/4]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
「あんたは私のママかああああああああ!!!!!」

目の前で御坂がバンとテーブルを叩きながら立ち上がる。その音に驚きつつ、蓮と初春、松野の3人は苦笑い。ここは御坂と蓮たちが初めて会ったいつものファミレス。初春はパトロールの休憩中、松野はひまつぶしに外でぶらぶらしてる最中、蓮はコンビニに向かう途中にたまたま御坂に会い、ここに呼ばれたのだ。そして聞かされたのは白井に対する愚痴。

「うわあ……めちゃくちゃ怒ってる……」
「ねえ!どう思う、みんな!?」
「え、えーっと……」

小さくつぶやく松野の声を気にせずに大声のまま御坂が3人に聞いてきた。初春が苦笑いして言葉を濁す中、蓮が御坂の前で手を上下にひらひらさせて座れの合図。そこで周りの人がこちらに注目していることに気が付いた御坂は周りに愛想笑いを向けて座る。

「たぶん白井は御坂さんに無茶してほしくないんですよ。過保護感はありますけど……」
「そうですね。御坂さんのことが心配なんですよ。危険なことに巻き込みたくないって。」
「危険ねえ……」

蓮と初春の言葉にも不満気な御坂。御坂は学園都市の7人のレベル5のしかも第3位。危険といわれてもピンと来ないのだろう。この都市で御坂に勝てる人などそうそういないのだから。同じレベル5の蓮も正直危険といわれても思いつかないからこその過保護だという発言である。

「それにそのグラビトン事件だって……」
「そんな名前がついてるんだ?」
「アルミの爆弾なんて犯人は何がしたいんだろう……?」

初春の言葉に松野と御坂が反応する。連続虚空爆破(グラビトン)事件。御坂と白井の喧嘩の理由になったともいえる事件である。これまで5件の小規模の爆発が起きており、被害者はなしということだが爆発というやり方からも正直笑える内容の事件ではない。重力子の加速によってアルミを爆弾に変えているためそれ相応の能力が必要になり、バンクを調べれば簡単に犯人が見つかるはずなのだが、唯一そのようなことができる『量子変速』(シンクロトロン)の高レベル能力者は1人だけ。その能力者は1年前から入院中で犯行は不可能。いまだ犯人の目星はついていない。ここで御坂が操作の手伝いを申込み、白井が御坂に普段の生活態度などをダメ出し。喧嘩に至るというわけである。そんな中、蓮は違うことを考えていた。

(松野に重福に今回はバンクに該当者なし……。また急激に能力者のレベルが上がったパターンか?こんなに急にレベルが上がる能力者が多発する偶然なんて……)

レベル2のはずがレベル4並の能力者の松野。バンクのデータより高位の能力を使っていた重福。すでに2件。言いようのない不安と違和感を蓮が感じるが初春が続きを話し始めたために意識をそちらに向ける。レベルの急上昇を信じたくないという無意識の逃げであったが仕
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ