25:後悔
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「――ハァ、ハァ……二人共、今度からは、気を付けてくれっ……!」
俺は肩で息をしながら、ようやく敵の気配が消えたのを確認して、背後の二人へとやや言葉が荒くなってしまった注意を促した。
「す、すまない……。まさか、こんなことになるなんて、夢にも思わなかったのだよ……」
「オレも、今度ばかりはマジで済まねえと思ってる……クソッ、いつものソロだったら間違いなくお陀仏だったぜ……畜生」
ハーラインとデイドの二人は俺が最後の一匹を屠った瞬間、地面に座り込んでいた。他の皆も同じで、疲弊の色を隠せないでいる。
それは探索二日目に出発し、早くもユニコーンが運良く発見……できるわけもなく、特に何事も起こらずに一日の冒険を終えようとしていたところだった。
ちょうど予定していた折り返し地点に到達し、あとは来た道を戻って村へと帰ろうとしていた矢先に、一つのトレジャーボックスを発見したのだ。このような奥地でのボックスには、相当のレアアイテムが入っていることが見込めるが、トラップボックスの可能性を拭いきれない俺やアスナ達は手を出さない事を主張した。
しかし、何一つコトが進まない冒険に辟易していたデイドとハーラインは、その言葉を聞かずにボックスを開けてしまったのだ。
そして案の定、その中身はワナで……その種類がまた最悪だった。その場所からかなりの広範囲に渡って敵を呼び集める警報と、同じく広範囲に結晶無効化空間を発生させる複合型トラップだったのだ。
もともと群れを成して行動するモンスターが多いこの階層で、このトラップで呼び集められた総数は……実におびただしいものだった。いくら安全マージンを軽く突破したこのパーティであっても、とても捌ききれるか分からないほどの敵の津波に、俺達は揃って背筋を冷やした。
俺に至っては……かつて《月夜の黒猫団》との一件とあまりに酷似した状況に、表には出さずとも内心では悲鳴を上げて半ば錯乱しながら、他の皆だけは必ずなんとしても守り通すと何度も自分に言い聞かせながら、率先して敵を一刀のもとにひたすら切り刻み続けた。
――それから俺達は、その場で実に一時間以上もの間、絶えず戦い続けた。
激しい混戦の中、ぼうっとしてきた頭で……もしかしたらこの階層全ての敵と戦っているんじゃないのか、これ以上続いて仲間をさらなる危険に晒すくらいなら、ここは秘密を破って《二刀流》を使おうかとも思い始めていた頃、ようやく敵の襲撃が止んで今に至る。
「みんな……大丈夫っ……?」
アスナもレイピアを鞘に仕舞い、膝に手をついて呼びかけている。
今、なんとか立てているのは俺とアスナ、そして……
「ユミルさんも、大丈夫でしたかっ……?」
「……………」
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