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IF物語 ベルセルク編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第十話 帝都攻略
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ウ参謀長の声は微かに震えていた。
「それだけではない、オーディンは我々の後方支援の拠点だ。今後の戦争遂行にも影響が出かねない」
オルラウが小さく呻き声を上げた。
オーディンを攻めているのはエーリッヒなのか? エーリッヒなら補給物資を見逃す事は無い。もしそうなら補給物資の不足から大規模な戦闘を起こし辛い状況になるかもしれない。戦線は膠着するな、内乱も長引く。ケンプ提督の敗戦が五月の下旬だった。あれから約二カ月か……。
ガイエスブルク要塞に戻りオーディンを目指した。補給、整備を考えればギリギリだな。殆ど休む事なく出撃した筈だ。という事は今回のオーディン攻略、偶然や思い付きではないな。最初からオーディンを狙っていたのだ。……嫌な予感がしてきた。二パーセントの勝率か、何を考えている? 内乱が長期化する事に勝機が有る、そう考えているのか? 見えない、俺には見えない、エーリッヒは何を狙っているのだ? 焦燥ともどかしさが全身を押し包んだ。手をきつく握り緊めた。
「エーリッヒ……」
気が付けば呻いていた。
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