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IF物語 ベルセルク編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第十話 帝都攻略
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ない。順調に攻略は進んでいる。エーリッヒを始めとするブラウンシュバイク公爵家の艦隊もめぼしい動きは無い。時折敗北した貴族連合軍を収容して撤退するぐらいだ。当然だが俺の出番も無い。
暇だ、そう思った。このまま順調に進めば多少時間はかかっても貴族連合軍をガイエスブルク要塞に追い詰める事が出来るだろう。そしてガイエスブルク要塞での攻防戦になるがそう簡単には決着は着かないかもしれない。しかしその頃にはキルヒアイス提督達の別働隊も合流している筈だ。こちらの戦力は充実している、そして相手は一部を除いて烏合の衆だ。時間はかかってもこちらが勝つ……、筈だ。俺の出番はガイエスブルクに追い詰めてからだろう。
問題は追い詰める事が出来るかどうかだ。エーリッヒ達がみすみすそれを待っているとも思えない。いや引き寄せてガイエスブルクで決戦、それもあるな。となると今は誘い込まれている? そういう事になるのか……。あまり楽しくない考えだ。順調に進んでいる、そう思おう。
「閣下!」
オペレータが声を上げた。
「ロイエンタール提督から通信が入っています」
「スクリーンに映してくれ」
指揮官席から腰を上げるとスクリーンにロイエンタール提督が映った。珍しいな、表情が硬い、敵と接触したか?
『ミュラー提督、オーディンが攻撃を受けている』
「オーディンが?」
一瞬何を言われたか分からなかった。艦橋が静まり返った、そして皆が固まっている。オーディンが攻撃を受けている!
「馬鹿な、あそこには……」
声が震えた。
『そうだ、まともな防衛戦力は無い』
ロイエンタール提督の沈痛な声がリューベックの艦橋に響いた。
「間違いないのですか? その情報は」
『オーディンのモルト中将からローエングラム侯に報告が有った。だがその後は……』
ロイエンタール提督が首を振った。連絡が途絶えたか……。司令部が全滅したか、通信能力を喪失したか、どちらにしても危険な状況だ。おそらくは組織だった抵抗など出来ないところまで追い詰められているだろう。
「敵は一体……」
『分からない、規模も正体も不明だ。想像は付くがな』
「……」
『ローエングラム侯は既にオーディンに向かった。メックリンガー、ケスラー提督も向かっている。我々にもオーディンへ向かう様にと総司令部から命令が有った』
「分かりました、小官も直ちにオーディンに向かいます」
『うむ、頼む』
通信が切れるのを確認してから指揮官席に座ったが思ったよりも大きく音が響いた。
「閣下?」
オルラウ参謀長が心配そうに俺を見ている。いかんな、指示を忘れていた。
「進路をオーディンに、急いでくれ」
参謀長がオペレータに指示を出す、漸く艦橋が動き出した。
「大変な事になりました。オーディンには皇帝陛下が」
オルラ
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