三十一話 家族(ファミリー)
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軍を抜け出してきたが、居場所はここになったのかもしれないー
だったら自分の作った問題を解消しなければならないはずだ。
いまできることは、字を読めるようにすること。
これは、最低限しなきゃならない。生活していけない。
しばらくテレビを見て勉強することにした。
子供番組、ニュース、ドラマ、バライティ番組、と時は過ぎていった。
…
時は2時頃。
ドアの空いた音がした。
「ただいま。」
この声は妹の理奈の声だった。
「おかえり。」
広翔は単純に声を返した。
見てみると、右手には買い物を持っていた。何か買ってきてくれたようだった。
「昼ごはん買ってきたよ。」
理奈はコンビニ弁当を差し出してくれた。
「あ、ありがと。」
広翔はそう言って受け取る。
少し他人行儀になってしまうのだが、仕方ないようだ。
というか、これではニートのようになってしまうではないのだろうか。
なにか手伝わなければならないはずだ。
「…なんか、やることある…?」
広翔は理奈にそう尋ねた。
「…やることって?」
理奈は少し首を傾げた。
「家事とか、なんか手伝うこととか。」
「…あ〜、今は特にないよ。」
理奈は少し間をおいてそう答えた。
「…そう。…」
やはりここは広翔にとって似合わず、心地の悪いものがあった。
目的がない。いる意味がない。だからだ。
やはり軍での生活がお似合いだったのだろうか。
「…広翔さん。」
理奈が話しかけた。
「?」
「…急な相談なんですけど、…広翔さん学校に通いませんか?」
やはり急な話だった。
「…え?」
広翔にとっては少し予想外だった。
早すぎる。この今の状態からじゃなにもできない。
「…姉が今日学校で先生などに話をしてくれているはずです。」
「…あぁそう…。」
いろいろとやってくれているようだが、相談も無かったので疎通が合わない。
「…やはり…嫌でしたか?」
理奈は広翔の顔色を伺う。
「まぁ、そんなことはないけど、…慣れてないしね。学校なんて。」
「そうですよね…。6年近く通ってなかったんですから。」
そこで普通に疑問が浮かび上がる。
「でも俺って街とかでたら、まずいんじゃ?」
広翔は理奈にそうなげかけた。
「あと、2日3日したら緊張が解けるでしょう。そしたら戸籍をつくって…」
いろいろと面倒だが、意外といけそうな雰囲気だ。智也の方もこんな感じならいい
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