異なる物語との休日〜クロスクエスト〜
休日のA
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たことがない、並行世界のキリトが問うてくる。
「ああ、黒髪で眠そうな眼してるやつで、京崎秋也っていうんだ。小学生のころからの付き合いで、良い奴だぜ。ちなみにあの茅場晶彦の弟」
「へぇ、茅場の弟……ってことは、ミヤビとはある意味で姉弟にあたるわけか」
こんどは清文がへぇ、と言う番だった。キリトの語るところによれば、彼の隣を歩く金髪の少女は、茅場晶彦の妹だという。となるとハザードとは腹違い(?)の姉か妹になるわけだが……。
「……私の方が年下」
「え、でも真夜美の実年齢って」
「年下」
「……はい、すみませんでした。兄妹と訂正させていただきます」
――――漢字なんて普通の会話じゃ分からないんだが。
そんな二人の会話を聞きながら、セモンはグリヴィネとの会話に戻る。
「……それで? 何でここが使われてるんだ? 放置されてたんだろ?」
「はい。そうなんですけど……今、私の《本体》が、ちょっととある事情で動かせなくて。とっても暇なので、お兄様が『暇つぶしに女将の真似事でもやってみたらどうか』って。せっかくなのでやってみることにしたら、御誂え向きに使われてない旅館があって。もう何人かお客様が来てらっしゃるんですが、接客してたら楽しくって、お兄様には本当に感謝です」
「最後を惚気で占めるな……」
《白亜宮》の連中は《主》を中心に自分の世界を構築しているので、時々話がかみ合わない。あくまで陰斗が世界の中心である刹那と、時々話が合わないのと似ている。というか彼らももとは《白亜宮》なのだが。
そうこうしているうちに、行き先に大きなふすまが見えてきた。
「さ、つきましたよー。どうぞごゆっくり……まぁ、できないかもしれないですけど……その時は、お兄様曰く『当館は責任を一切負いませんドヤァ』だそうです」
「何だよドヤァって」
「合言葉です」
「そう言うことを聞いてるんじゃない!!」
思わず突っ込みを入れてしまうが、グリヴィネは笑顔を浮かべて下がっていってしまった。
「刺激があるから人生は面白い。そう思わないか? ……まぁ、とりあえず……精進しろよ、少年少女」
謎の格言を残して、シュウもその場を去ってしまう。
後にはセモンと、全くセリフがないコハクと、キリト・ミヤビペアの四人がのこされた。
「……どうする?」
コハクが問うてくる。
「……いや、開けるしかないだろ。何が待ってるのか知らないけど」
「だな」
「GO」
キリトとミヤビも同意して、じぃっとセモンを見つめてくる。その眼に宿っているのは謎の期待感。
「……って俺に開けさせるつもりかよ!!」
「「勿論」」
「即答!?」
何だこれは。生贄になれとでもいうのか。
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