三弾 黒と緋の戦舞
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ガードしながら、あるいは銃弾を銃弾で弾きながら身を守り、痛みから復帰した彼女は彼女でその小さな体で飛び跳ねたり、しゃがんだり、あるいは体を回転させて受け身をとりながらお互いの銃弾を躱し続けていく。
その様子はまるで社交場で踊りを踊り合うように______滑らかに、時には激しく体をお互いに動かし続けながら発砲しあいながら戦舞を披露していく。
戦場で舞う俺達だけの踊りを______。
やがて弾を全て撃ち終わった俺達はお互いに呼吸を乱して、肩で息を大きく吐きながら銃を向けたまま睨み合った。
もっとも、俺には彼女を撃つつもりはもうないんだけどな。
しかし、小さくなっているとはいえ、俺と互角に戦える奴がいるなんてな。
やっぱ世界は広いな。
Sランクというランク持ちには彼女クラスの奴がたくさんいるのか?
だとしたら______あまり関わりたくはねえんだが、ほっとけねえしな。
「アリア」
「何よ?」
乱れた息を整える彼女に俺は語りかける。
「別に体が小さくてもいいじゃねえか」
「はあ〜?
いいわけないでしょう??」
「いいや。体が小さい方がいい事もあるね!」
「……何よ?それ」
俺の言葉が解らないと言うように首を傾げて聞いてくる彼女。
俺はそんな彼女に向かって何故体が小さい方がいいのか教えてやった。
「だって、体が小さい方が……子供の姿なら電車やバス、映画だって安くなるんだぜ!」
堂々と言った俺に彼女は口を開けたまま、ぽかーんとした表情で固まった。
小学生呼ばわりを彼女は嫌がっているが子供じゃないと出来ない特権だって世の中にはたくさんある。子供料金とかがそうだ。
見た目が幼く見える今、俺はその外見を逆手にとってしたい放題してやろうと思っている。
「子供じゃないと出来ない事を今のうちにしておかないと人生の損だぜ」
俺が人生観を語ると彼女は呆れた顔をしながら手に持っている大型拳銃を下げた。
そして顔を背けて溜息を吐きながら言った。
「何であんたはそんなにお気楽なのよ」
「楽しまないと損だからな」
あの後、騒ぎを聞きつけてやってきた教務科の教師、蘭豹から逃げるようにその場を後にした俺達は学園島を一周して寮に戻ってきた。
蘭豹が背後から銃撃してきながら追いかけてくる様子はまさに野生の獣を連想するようでびびった。
……後でキンジに蘭豹が好きそうな物を聞いて渡しておこう。
寮の中に入ると部屋の中にはまだ誰もいなかった。
彼女は部屋のソファーにどかっと座るとコンビニで買っ
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