三弾 黒と緋の戦舞
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ビジョンアイ》とか持ってんのか?」
「ビジョン……アイ?
何よ、それ……」
ありゃ。彼女は予見眼の事は知らないみたいだ。
だけど知らないにしては彼女の動きはありえないくらいすげえ。
まるでどこに、いつ攻撃されるのかが解ってるみたいに避けていく。
「よくわからないけど、今のあんたはその銃を扱いきれてないって事は解るわ。
撃つ度に手が痺れるんじゃない?」
まるで全てお見通しとばかりに、片目でウィンクしながら言ってくる彼女。
否定したいところだが……バレてるみたいだな。
「……何んで解るんだよ」
「直感よ!」
「直感??」
コイツ、直感だけで避けたのか?
直感だけで俺の技を全部見抜いたのかよ。
「さっきからあんたは銃を撃つ時に銃と手にワイヤーを巻きつけながら撃ってた。
それにあの早撃ちをした後、これまで見たあんたの銃撃と比べて動作が鈍くなっていると感じたわ……なんとなくだけどね」
驚く俺に不敵なウィンクをして、手に持つ大型拳銃を撃つ。
バスバスバスッ!バスバスバスッ!
容赦なく、至近距離から射出された大型拳銃の銃弾。
一発目は俺の足、大腿部に向かって飛んできたが俺が回避行動を取ると______2発目以降は俺の上半身を狙って発砲してきた。
俺はその場を飛び跳ねるようにして銃弾を回避していき、躱せない銃弾は装飾銃の爪で切り裂き、或いは爪と銃身を盾にして身を守る。
キンキンキーン!
バチッ!
バスバスバスッ!
______チンチンチンカラン。
______ダッ!
俺は彼女の銃撃が途切れるタイミングで彼女に向かって駆け出した。
本当なら『連続早撃ち』で決着をつけたいところだが既に連続で使用した為、装飾銃を握る指からは少量の血が出ていた。
なので普通の銃撃を行う。撃てない事はないが負担がかかる分、連続早撃ちをあまり使用はしたくないしな。
それに手の痺れもある中で、俺の動きを直感でわかる彼女相手に多用はできねえ。
中距離の拳銃戦では、相手の利き腕を外に開かせた方が有利になるんだが俺も彼女もどちらの手でも銃を撃てるから定石通りにはいかない。
なのでお互いに真正面から銃撃による乱打戦。銃弾による近接拳銃戦を始めた。
俺がいた世界だとあまり聞いた事はなかった戦法だが、この武偵がいる世界には、武偵達が行なう戦いの一つに銃撃による近接拳銃戦、『アルカタ』と呼ばれる戦法が存在する。
常に防弾服を着用する武偵同士の近接戦では、拳銃弾は一撃必殺の刺突武器にはならない、打撃武器として扱われる
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