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フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
第一章 土くれのフーケ
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「カケルっ!」とルイズは叫び声を上げるが、架は平然としていた。
「う〜ん、さすがにこれをいちいち相手にするのは面倒だな・・・。」
と、徐に剣を地面に突き刺した。そして・・・
「『
模倣
(
フェイク
)
、
開始
(
オン
)
』」
と呟く。すると、架の目の前の地面が六つ盛り上がった。それらは人形の姿を形どり、ドスンッと突進してきたワルキューレたちを受け止めた。
「な、なんだと・・・。き、君も錬成が使えるのかい・・・?」
わなわなと声を震わすギーシュ。しかし、
「いや使えないよ。何せ俺はお前の錬成を『真似した』だけだからな。」
へらっと笑いながら言う架。
これが彼の能力『模倣』である。一度見た相手の技や動きを瞬時のコピーし会得するもの。
しかし、『真似』ということはやはり本物に比べると劣化する。現に、ギーシュのは自立した青銅騎士に対し、架がつくり出したのは地面から生えた泥人形である。
この他にも色々と制限があったりするのだが、まあ今回は成功した方だろうと架は評価する。
「さて」と呟き、もみくちゃになっているゴーレムたちを飛び越え、架はギーシュの前に立った。
「見ての通り、お前の使い魔は動けない。そして目の前には武器を持った俺。この状況でアンタはどうする?」
視線を鋭くする架。それにギーシュはへなへなと座り込み、「ま、参った・・・」と言った。
その瞬間周囲に歓声が沸き起こった。
「すげーよ!」「何だ今の魔法!」と口々に叫ぶ生徒たち。その中に・・・。
「これが・・・、私の使い魔・・・」「すごい・・・、すごいじゃないですか!ミス・ヴァリエール!」
呆然とするルイズといつの間にか傍にいた先ほどのメイドがキャッキャッとはしゃいでいた。
「あれがルイズの使い魔かぁ・・・。結構イイ男じゃない。」
さらに、観衆に混じって決闘を見ていた赤毛で褐色肌の女性が頬を赤く染め、妖艶な笑みを浮かべた。
そして・・・
「・・・術も驚いたがあの剣技、間違いねぇな。」
さらに遠い場所―――校舎から一部始終を見ていた一人の男がいた。男は決闘の勝者を見つめ深い笑みを顔に刻んだ。
「よもや、また会いまみえるとはねぇ・・・『セイバー』。」
その言葉を聞いたものは誰もいなかった。
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