暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
第一章 土くれのフーケ
出会い
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か。お前はどうあっても死ぬ運命にあるんだ。運命から逃げたいのなら・・・」

 そして、少年は初めて少女に顔を向けた。

「この手を絶対に離すな。」

 次の瞬間、少年が凄い勢いで走り始めた。そのスピードはとても年相応ではなく、まるでオリンピック選手のようであった。
 少女は驚きながらも先ほど少年に言われたことを思い出しながら・・・

 「ッッ!!」

 少年の手を力強く握り返した。




 架が目を覚ました時、彼が抱いた思いは『困惑』の一色だった。
 
 ここはどこだ?
 何で俺はベットで寝ているんだ?
何で俺は上半身裸なんだ?
 で何で体は包帯だらけなんだ?
 そして・・・

 何となくダルい体を起こし、キョロキョロと視線を彷徨わせているうちに、その視線は足もとで止まる。

 すーすー・・・

 この()は誰だ!!?
 ベッドにうつ伏している少女がいた。
 桃色のかかった髪であり、小さな寝息を立てているその姿は天使を思わせる可愛らしさがある。思わず暫くの間見つめてしまっていた架であったが、思い出したかのように現状を確認する。
 見たこともない場所、傍らには見たこともない少女、自分の名前は覚えていることから記憶喪失ではないのに少しホッとする。
 しかしここに至るまでの経緯が全く思い出せない。ええと、確か俺は・・・。
と考えあぐねていると、部屋のドアがガチャリと開けられた。

「ん?おお!目が覚めたようですね。」

 入ってきた青年が優しげにニコリと微笑んだ。
 しかし、ややボサボサの髪、ヨレヨレのワイシャツとスーツ姿という格好のせいか、若干胡散臭いというのが架の第一印象だった。

「あ、貴方は?」
「ああ、申し遅れました。(ワタクシ)、ヴァロナと申します。貴方は?」
「架です。影沢架。」

架が名乗ると、ヴァロナという青年はなぜかピクリと反応した。しかし、それも一瞬で、「そうですか。」と再び愛想の良い顔に戻った。

「しかし良かったですよ。あなたが召喚されてからもう二日も経っているのですから。」

架はそこで重要な単語を聞き逃さなかった。

「へ、召喚??」
「覚えてないのですか?あなたはルイズによって召喚されたのですよ。」
「ルイズ???」

 ヴァロナは黙って二人の間で寝ている少女を指さした。どうやらルイズとはこの少女の名前らしい。
 しかし『召喚』については訳が分からなかった。え、何?自分が?コイツに?何で?いや、別に召喚という単語は知っているけど何で自分にそんなことが起こっている?
 現地の(ヴァロナ)が現れたことにより少しは現状が理解できるだろうと期待したのだが、ますます混乱してしまう架。
 そんな架をよそにヴァロナはルイズと
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