暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
マブラヴ
0852話
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の場ではない限りは問題ないだろう。

「ああ、それで構わない。……で、早速だが」

 夕呼の言葉に頷いてな話を進めようとした俺だったが、それを遮るように再び声が掛けられる。

「その前に。ちょっと聞いた話じゃ、あんた色々と特殊な能力があるそうじゃない。なんでも普通ではまず食べられない程の甘いお菓子を平然と配ったとか」
「……シュークリームの事か?」

 最初夕呼が何を言っているのかは分からなかったが、やがて思い出す。
 俺をここまで案内してくれた兵士に、以前空間倉庫から取り出したシュークリームを渡した事を。

「ええ。この世界ではかなりの……それこそ、かなりの金持ちでも無ければ食べられない……いえ、場合によっては材料が無いせいで、そもそも作る事すら難しい洋菓子。それをポンと上げたって?」
「確かにやったな。そこまでの高級品扱いってのはその時は知らなかったけど」

 それ程の高級品、結局どうなったんだろうな?
 そんな俺の疑問が表情に出たのだろう。夕呼は呆れたようにこちらを見ながら口を開く。

「安心しなさい、あのシュークリームは貰った人がきちんと家に持って帰って家族で分けて食べたそうよ。最初は没収して色々と調べたらどうかって意見も出たみたいだけど、そんなんであんた達の怒りを買ってもしょうがないって事になったみたいね」
「……調べると言われても、何の変哲も無い普通のシュークリームなんだが」
「その辺の感性が違うのは、この世界だからこそなのかしら。それとも、アクセルだからなのかしらね。……まぁ、いいわ。それよりも、天然物のコーヒーは持ってないの?」
「それで結局要求するのか……コーヒーはあるが、この程度だな」

 そう告げ、脳裏に空間倉庫のリストを表示して本格的な味が売りだという缶コーヒーを何本か取り出す。
 そもそも紅茶派を自称していながらも基本的に飲むのはペットボトルだったり、缶だったりの、いわゆる紅茶風飲料だ。そんな俺が缶コーヒーとは言っても、コーヒーを持っていた事を褒めて欲しい。

「……まぁ、いいわ。それで勘弁して上げる」

 フェイトやバルトフェルドが飲むような、豆に拘った本格的なコーヒーを期待していたのだろう。不満そうにしながらも、コーヒーを口に含む。
 だが、次の瞬間にその表情は驚愕へと変わる。

「ちょっ、ちょっと。何よこのコーヒー……凄く美味しい……」

 どうやら本格派の缶コーヒーは、この世界の合成食のコーヒーよりも味の面では上だったらしい。
 ……コーヒーでも合成食って言うのか? それとも合成飲料?
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