第一部 学園都市篇
第3章 禁書目録
27.Jury・Night:『Graaki-Apocalypse』
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せめて、我らが神の身許に」
貫徹した十文字槍が引き抜かれて、蔵人は刺殺した駆動鎧から一歩離れて。対峙したまま、次の局面を迎えた。
グラーキの棘に沁みる屍毒に、死体が甦る。その駆動鎧に、銀の筒を携えたミ=ゴが潜り込む。嘗てのように、また能力持ちの駆動鎧に。
「────させるかよ」
「フハッ、種の割れた手品などは通用せぬか。しかし、お若いの。まさか裏も表もとは恐れ入るのぉ、新陰流!」
なるよりも、早く。正座の状態から跳び上がった嚆矢の長谷部により、駆動鎧はミ=ゴごと抜き打ちに両断された。蔵人はしかし、残念がる様子もなく。寧ろ、にたりと笑う。
そして────
「ハッハッハ、聞かれなかったので自ら言おうか。何故、私が生きていたのか……それがこれだ」
槍使いは、祈りを捧ぐ。それはまるで、聖者のように。“グラーキ黙示録”を、掲げて。
「飢える、飢える、飢える─────迷宮蜘蛛!」
足下から、カサカサと。影から涌き出るような、青白い……球形の蜘蛛のような形の異形。掌くらいのサイズで、群を成して。
《成る程のう、迷宮蜘蛛を取り込んで……贄に雛を植えて、同一の存在としたか。中々に出来るのう、グラーキの信徒め》
「ハッハッハ、先に言われてしまったなぁ……簡単に言ってくれたが、大変だったのだぞ? まあ……」
“悪心影”の得心の呟き。それに、答えた蔵人が笑う。嘲笑を浮かべる。
「お陰で、思いがけないおまけも手に入ったがな?」
そして、槍を頭上で回す蔵人。その動きに呼応するように、アイホートの雛の群が渦を巻く。
「────迷宮に出口は無し、迷宮に道標の糸は無し」
槍使いは渦の中で、厳かに聖句を唱える。雛達は応えて蔵人を包み、形を変え─────
「アイホートの迷宮に、死の他無し!」
「……マジかよ」
その身を、鈍い輝きを放つ青白い甲冑に身を包む────禍々しき奇形の蜘蛛を思わせる、中世ヨーロッパの槍騎士と換えた。
《マジも大マジ、糞真面目よ。クトゥルフ神話とは、本人の解|釈
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