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SAO─戦士達の物語
GGO編
八十八話 鉄火場
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砕音が響いている。
隣で女が苦笑する気配がした。

「あははは。災難だったねぇ。まさかこんなことになるなんて思ってなかった?」
「そりゃなぁ……おれ今日GGO初日なんだ。それなりにやってそうなアンタがしらねぇなら、俺も知るわけねぇわな」
「あはははっ!そっか、だからそんな何も装備して無いんだ。リアルラックが有ったのにこんななんて、運良いのか悪いのか分かん無いね」
「全くだ。是非とも神って奴に直訴してみたいね。そんで……」
軽く愚痴を言って少し落ち着いたところでリョウは問う。

「この状況、巻きこんじまった事はすまねぇ。破れかぶれでカジノなんか入った俺のミスだし、後で必ず詫びる。けど、正直ルーキーにもなってねぇ俺じゃあこの状況を収集できそうにねぇんだ……だから……」
「この状況を収集する方法を教えてほしい?」
「……悪い。頼めるか?」
そう言って彼女の方を見ると、彼女は一度クスリと笑った後に先程と同じくニコリと笑った。

「此処でNPCにキルされるのは私もやだもん。良いよ。そのかわり、このイベント終ったら、ちゃんとなんかおごってね?」
「……おうっ!」
そう言ってニヤリと笑い、リョウは大きく頷く。それに答えるように彼女も頷き……ふと、思い出したように首をかしげた。

「そう言えば、男の子みたいな話し方だね?女の子だよね?」
「…………すまん。男だ。俺」
彼女は少しの間、ぽかんと口を開けていた。

────

「…………」
「おい、ちょい?」
口を開けたまま固まる彼女の前でぷらぷらと手を振り、首をかしげながら聞くと、彼女ははっとしたようにブンブンと首を左右に振る。

「あ、うん。大丈夫。ちょっとびっくりしただけだから……」
「あー、ん、自然な反応だな。アンタまともだ」
「あははは……」
乾いた笑い声を洩らす彼女に、涼人ははぁ……と溜息をつく。その音もまた、銃撃の音にかき消されたが……と言うかいつまで撃たれるのだろうか。

「さてと……で、どうするのが良いか、指示願えるか?」
「オッケー。じゃ、脱出か殲滅か、どっちかだね。まあこのカジノ、私達が入って来た出入り口以外は多分開かないし、試そうにもあのNPCに他の扉塞がれちゃってるから、殲滅しか選択肢は無いかなぁ……」
「さいで……」
今もなお銃声は店内に響き続けており、時折そのなかにおそらくはあのデブNPCの物であろう下品な笑い声が響いている。そんな中、彼女はアイテムストレージを取り出すと幾つかの部分をト、トンッとタッチする。
途端に、彼女の腰に一丁のSMGと、何やら円柱状の物体が現れた。

「……なんだ?それ」
「うん?私の武装だよ。こっちがMP7で、こっちはライトセーバー」
そう言って、彼女は左にSMGことMP7。右にラ
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