GGO編
八十八話 鉄火場
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てリョウはビクリとしながら振り返る。見ると、先程から居た自分を覗いた唯一人の客らしき女が、此方のテーブルを覗き込んでいた。銀色の髪をショートカットにした小顔から覗く紅い眼は驚いたように見開かれ、けれどもなんともキラキラとした光を内包している。
「ストレートフラッシュとファイブカードなんて……こんな勝負始めてみた!実力で!?」
やたら興味深々に聞いてくる女にリョウは一瞬引いたが、しかしすぐに気を取り直す。
「少なくとも自分では、チートコードを使った記憶はねぇな……」
「だとしたら凄いリアルラックだよ!って、あれ?なんだろ、これ」
そう言うと、何やら《無い》以外の言葉を喚き散らしたふとったNPCの台詞の後で、リョウの前に選択肢が出現していた。ご丁寧にそこにはNPCが喚いたであろう言葉が乗っている。
英語で書かれたそれは、簡単に訳すると、「テメェイカサマしやがったな!?」と言った感じの、いかにもな台詞が並んでいた。当然、していないのでNOを押す。すると何やら口汚い台詞をそのNPCがさんざんわめき散らし、その後……
「はぁっ!?」
「っ!」
どたどたと足音を立てながら、奥の扉から黒服の男達が次々に飛び出してきた。無意識に確認したその数は十。彼等の手には一様に……黒い鉄で出来ているであろう部分と、所々恐らく木製であろうオレンジ色の部分を持つ姿の下部に曲線を描いたマガジンの付いた、一目で銃と分かる物体を持っている。確か名前はAKとか言った気が……
「ちょ、ま、おいおいおい……!」
「何してるの!来てっ!」
「うおっ!?」
彼らが並びきるよりにも前に、隣の女がリョウの手を引っ張って正気に戻す、とにかくヤバい状況なのは確認せずとも分かった為にリョウはそれに従い……
「そこに飛び込んでっ!!」
「うおおおっ!!?」
「fire!!!」
言われるままに目の前に会ったバーカウンターに転がり込んだ。次の瞬間……
ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッッッッ!!!!!と言う凄まじい破裂音と共に、リョウ達の前斜め上に会ったバー用だろう酒瓶が次々に砕け散り、その中身をぶちまけて、ガラス片が飛び散り、木片がばらばらと跳ねまわって所々の金属部に当たった弾丸がチューン!と高い音を立てながら火花を散らした。
反射的に、飛びこんだカウンターの方に背を思い切り押しつけて車線に入らないようにする。
隣では、同じ体制で先程の女が座り込んでいた。
「うっわ……カジノってこんなイベントあったんだ……」
「なんなんだよ、オイ……」
同時に全く違う台詞を吐いて、リョウは頭を押さえる。
店内に居た筈のこのバーのマスターやそのほかのNPC達はとっくにどこかへと消え、カウンターの外からは絶え間なく破裂音……否、銃声とその他破
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