暁 〜小説投稿サイト〜
思惑の色は――紅
第1話 狼藉
[2/5]

[1] [9] 最後 最初 [2]次話
さの残る膨らみにまで手を掛けたのである。
 最初は、冗談のつもりかと思った。だが、最早それでは済まされない。
「ん…………痛……っ」
 アーチャーの指が、乳房に喰い込んでくる。ブラウスや下着など、薄い布地を隔てただけの乳肉が、乳首が他人の――男の体温によって温められ、熱くさせられてゆく。
 すごい力だ。多少は拳法の修練を積んでいるのだが、凛が両手を使っても、アーチャーのその片腕を自分から引き剥がせない。
 腰に掛かっていたはずのアーチャーのもう片方の手は、振り乱れたスカートから露出した、彼女の太腿を撫でていた。と、言っても生脚ではなく、黒タイツに覆われてはいるのだが。
「どうした?」
 頭上からアーチャーの澄んだ声が、凛の頭の奥にまで響き渡った。
「んっ!」
 それだけで、少女は軽く悲鳴をあげた。遠坂凛、魔術の名家・遠坂家の当主たる天才魔術師とは言え、いまだ十代の高校生である。男に背後から身体を絡め取られ、胸を弄ばれながら話し掛けられる体験など、もちろん初めてだった。
 さすがに、興奮を禁じえなかった。
 時折、身体が凛の意志に反し、痙攣してしまう。もう片方の乳房に、アーチャーの手が移る。太腿を責める指先も、より内側に、脚を付け根のほうへと上ってゆく。刻々と、身の危険が迫っている。
「はあ……あ……ふざけないで。勝手に、こんな……今すぐ、やめなさい……これは命令よ、アーチャー」
 羞恥と動揺で涙声を出しかける咽喉を叱るようにして、強い声を押し出してゆく。不実な手の甲を抓りもした。
 芯が通った低い、男の美声はそれでも止まらなかった。耳許で凛の華奢な鼓膜をきつく震わせ続ける。
「魔力を回復させてやろうと思ってな。君は運がいい。異性同士の主従関係は同性同士に比べ、このような優位性がある。男女の契りによって、お互いの魔力を存分に高め合うことができる。男と男、女と女では、こうはいかない。で、君のような若い女の場合には、特にこの恩恵は大きくなる」
「そん、な……の……」
 脳が熱く痺れだし、呂律すら怪しくなってくる。凛の手足から張り詰めていた力が抜けはじめると、アーチャーは容赦なく、凛の裡へとさらに踏み込んでくる。制服のスカートを捲り上げ、黒タイツの守りまで突破し、素早く忍び込んできた指先が股間への責めを開始する。
「ん、んん!! だめ、そこは、あ…やめて、や……あ……はああ……ん……」
 焦る凛の声が、急に、ひどくうっとりとした音色に変わった。アーチャーの指はすぐに捉えていた――凛の硬く痼った淫核を。ただし、ショーツ越しに。しかし、直にでは荒々しすぎる指の責めを、その布地が程よく和らげ、凛の繊細な部分に心地良く伝える役割を果たしている。
 気づかなかっただけで、よほど疲れていたとでもいうのか、その愛撫はひどく気持ち良く、想像も
[1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ