第6章 流されて異界
第107話 チアガール……ですか?
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と仮定した場合。少なくとも俺が男だと言う事は誰の目から見ても事実で有り……。そもそも、そんな事になったのなら、俺は何処で寝たら良いのです?
少し声が裏返ったのは止むを得ないでしょう。頭の中には、寝袋を渡されてベランダに放り出される俺の姿が浮かんでいたのですから。しかし、そんな俺をしてやったりの表情で見つめるハルヒ。
そうして、
「当たり前じゃないの。あんたには話していないんだから」
そもそもあんたに許された答えは、はいとイエス……このふたつだけよ。
どう聞いても答えが一種類しかない二択を口にするハルヒ。この際、俺の基本的人権などをハルヒに問い掛けても無意味なので無視するとして、
「長門さんは良いのか?」
ハルヒに対して何を言ったとしても埒が明かない。こいつは俺の言葉など右から左へと聞き流すのは間違い有りませんから。そう考えて、この部屋の所有者に対して問い掛ける俺。少なくとも、ここで彼女がハルヒの言葉を打ち消せば、この提案は流れる可能性もゼロでは有りません。
ただ……。
ただ、これは無意味だとは思いながらの問い掛けだったのも事実。何故ならば、俺が相手ならば有無を言わさず従えようとするハルヒですが、少なくとも有希に対しては先に全員で泊まっても良いか、……の確認ぐらいは行って居ると思いますから。
そして、この場でハルヒがこんな事を言い出したとするならば……。
「問題ない」
予想通りの答えを返して来る有希。尚、皆の居る前ではしばらくの間、有希ではなく長門さんと呼ぶ事にして有ります。
流石にそれまではやや他人行儀に『さん』付けで呼んで居た相手を、行き成り名前の方で呼び始めるのは違和感が発生して仕舞います。それに、こう言う部分も秘密の共有のようで、彼女との距離を縮めてくれる役に立つと思いますから、後に危険な場面に遭遇した時に二人の呼吸を合し易くなるはずです。
実際、俺に取っての彼女は、ハルケギニアの湖の乙女などではなく、
彼女に取っても俺は、以前に縁を結んだ異世界同位体の俺ではない。
この両者の関係がギリギリの局面で齟齬をきたす可能性も高くなり、そうなった場合は、余計なピンチを背負う可能性が更に高く成る。
ハルケギニア世界の相棒でも危険な場面は幾らでも有りましたから。そして、この世界も、完全に安全な世界だと言い切る事が出来ないのは間違いないですし。
矢張り、最悪の事態に対する備えは必要でしょう。
「あなたは普段使っていない和室に泊まってくれたら良い。他の人は私の寝室と、もうひとつの使っていない客室を提供する」
流石に先ほどの短い答えだけでは情報不足だと考えたのか、普段よりは説明の言葉を増やした有希。尚、使っていない和室と言うのは、この世界にやって来てから俺がず
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