第6章 流されて異界
第107話 チアガール……ですか?
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える。そう言う事だと思いますが。
まぁ、そんな事はどうだって良いか。……と、これまでのやり取りを全否定する独り言を発するハルヒ。こいつに直接関わるようになってからそれなりの日数が過ぎたからもうそれなりには慣れたけど……。
それでもこの前振りのない急転直下の話題転換はどうにかして貰いたいような気も……。
……などと考えながらも、一応、会話が終了したのは事実。ならば、と言う感じで御預け状態となって居た鍋に箸を伸ばす俺。
良い具合に出来上がった海老や鶏肉。味の染みた豆腐につくね。キノコに白菜、当然、ネギも忘れずに。
一度に多くを取る訳にも行かず、さりとて、迷い箸と言うのは非常に不作法となるので即断即決。何、一度目で取り損ねた鍋の具材も二度目で押さえたら良い。今夜は直径三十センチ程の極一般的な土鍋をふたつ用意した事により、何時ぞやの菓子パンの時のように、食いっぱぐれる可能性は低い。
毎度毎度、有希に取り置きして貰う訳には行きませんからね。
こんな感じで、既に食う気満々の俺。しかし……。
「それじゃあ、次のSOS団の活動目的を発表するわね」
何故か、そんな俺に対して待ったを掛けるかのようなハルヒの声。……と言うか、SOS団――世界を大いに盛り上げる涼宮ハルヒの団の活動目的など俺にはまったく興味がないのですが。
少なくとも、目の前で良い具合に出来上がっている寄せ鍋よりは。
但し、何故か、その訳の分からない集団の一員に数えられているので、巻き込まれるのは仕方がない、と言えば、仕方がないのですが……。
食事の前に非常に不景気な表情をしているのは間違いない俺の事は完全無視のハルヒ。この辺りに関しても平常運転。
そうして、
「月曜から始まる球技大会での優勝よ!」
天井に右腕を突き上げ、力強く宣言をするハルヒ。その姿はまるで勝利の女神の如し、……と表現したとしても言い過ぎではなかったかも知れない。
ただ……。
「根本的な疑問があるんやけどな、ハルヒ」
先ほどまでの不景気な表情から鹿爪らしい……と表現すべき表情へと変化させて、そう問い掛ける俺。同時にカセットコンロの火の調節を行い、鍋が煮詰まり過ぎるのを防ぐ。
「何よ?」
一応、素直に返事をするハルヒ。しかし、
「くだらない事だったら、ただじゃ置かないんだからね」
……と、直ぐにそう釘を刺して来る。
もっとも、この時の俺の表情は、普段なら間違いなく彼女がくだらない、と表現する内容を口にする時の表情。
「確かに、そのSOS団とやらの大半は一年六組のメンツで構成されているから問題ない」
釘を刺された事に対して心の中でのみ舌打ちをひとつ。どうやら、俺が彼女の事が判って来たのと同じように
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