ビギニング:吼える龍、スートに覚醒せし三つの王
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レイグルの村に来てから二週間余り。
俺はユイリにアインクラッド流を教えながら、自流派<天城流>の練習をロードで行っていた。
「<紅煉斬破>!!」
「ハイハイ」
ロードはそれを避けると、銃剣で俺を刺そうとする。
「反応遅い!!」
軽く地面を左で蹴って右を軸にして蹴り飛ばす。
天城流体術<七ノ型 旋風神脚>。
「ちょ、それひきょーーーー」
そのまま地面に叩き付けられ、ロードは俺の身体に戻る。
『手加減しようよ……』
「煩い」
俺は言うと、スレイブの樹に立て掛けてある銅色の剣を持って木こりの方へ行く。
「ああ、ライン君……だったかね?」
「ライトです……」
何回か解らない受け答えに溜め息を付かないように言うと、木こりのじいさんに言う。
「今日はこの剣で此方やりますんで、ソルの樹の方をお願いします」
「そりゃ構わんが……お前さん、何度も言うがその錆びた剣で大丈夫かい?」
「大丈夫です。さ、ソルの樹の方のユムリさんの方に行ってあげてください」
じいさんは頷くと、ソルの樹に行ってしまう。
それと入れ換わりで、ユイリとユリアが現れた。
「来たわよ、ライト!」
「うっし、今日はこの樹で練習をしろ。良いな」
「……確かに、この剣ならば行けるでしょうが……」
と、絹の袋から取り出したのは、鍔が無い、変則の剣。
しかし、俺はそれを良く見たことがある。
「兎に角練習をしてくれ。大丈夫だから」
「……ええ」
ユイリは不安ながらも、剣でスレイブを横に伐り始めた。
「……お姉さま、大丈夫でしょうか」
ユリアが俺に聞く。
「大丈夫だよ。ユイリには元々剣術の才能はあるよ。唯、それをあの父親が腐らせてるだけさ」
この二週間、あの父親は俺にどんなに家宝を自慢したか解らない。それに、セントラルとの取引など、色々と口を滑らせてくれたお陰で、本当に性悪な事が解った。でなければ、ユリアを連れてユイリが来るわけも無く、母親が逃亡計画に乗ってくれる筈もない。
「ま、いざとなりゃ、俺が殺るから問題ねぇよ」
「……ええ」
ユリアがそういった時だった。
俺の持つ銅色の剣が少しだけ色を取り戻した。
「……また色が変わった」
「それ、お父様が倉庫に仕舞ってあった銅色の剣ですか?」
「ああ」
この形状、色と良い。このレイグルの村には不可解な点がありすぎる。
「……まぁ、悩んでても仕方ねぇ。俺達もユイリの手伝いをすっか」
「そうですね」
ユリアは赤い青龍刀を持つと、俺も銅色の剣を持ってユイリの元に向かった。
「セイハァ!!」
ズガン!!
何度目か解らないユイリの斬撃がスレイブの樹にクリティカル
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