暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
マブラヴ
0851話
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地の近くに住んでいる住民が反対したのは、ある意味当然だったのだろう。

「どうでしょうか? 無人島に港を作る許可さえ貰えば、明日からでも建設を開始しますが」
「その無人島に港を作るにしても、領土的にはその島はオーストラリアになるんだろう? そこら辺はどうなっている?」
「一応格安で私達がその港そのものを借りるという形になっていますね。具体的には一月につき小麦1t程度となります」
「……また、随分と安く借りられたものだな」

 レオンの説明に、それを聞いていたコーネリアが思わずと言った様子で呟く。
 実際、島1つを借りるにしては一月小麦1tというのは驚く程安い。
 何しろ運ばれてくるBETAの死体の量を考えると、1度どこかの国やら会社やらと取引をすれば、それだけで小麦1t程度というのはキブツで生み出す事が出来るだろう。
 誰が聞いても破格の安さだ。
 だが、エザリアの口からその格安の理由が話される。

「確かに安いけど、その安さにも十分に理由があるのよ。まず、最大の理由としては以前にオーストラリア国防軍の中佐がゲートを襲撃に来た件があったでしょう? あの件の謝罪代わりというのがあるわね」
「……ああ、そう言えばそんな事もあったな」

 恐らくはアメリカ辺りに、シャドウミラーとオーストラリアの関係を悪化させようとしたと思われるあの件か。
 ちなみに犯人の中佐に関しては、尋問後に死刑になったらしい。
 本来であれば収監するのだろうが、このご時世囚人に与える食料も勿体ないということなのだろう。あるいは捨て駒として前線に出すというのもあったかもしれないが、その前線でいらない事を喋ったりされては困る……といったところか。

「それにオーストラリアにしても、多くの船がその港にやってくるというのは物流が活発になって、経済的にもプラスになるという目論見があるんじゃないかしら」
「確かにそれはあるでしょうね。BETAの死体を運んでくれば、当然帰りに補給やら何やらをする必要があって、それは当然オーストラリアの港で行われる事になるんですもの。……いっそ、私達が作る港にもその為の街を作っては……いえ、駄目ね」

 レモンが言葉を途中で遮って小さく首を振ると、レオンが頷きを返す。

「はい。そもそもオーストラリアとの契約でその港に関しては完全にBETAの死体を受け渡すだけの場所となる予定ですし、シャドウミラーとしてもスパイの類が入り込まないようにするにはそっちの方が好都合ですから」

 港を造って得る事の出来る利益と、スパイやら工作員やらが入り込むリスクを天秤に乗せれば、当然後者の方が重要性は高い訳だ。
 そもそも、この世界で幾ら利益を上げたとしても技術的に遅れていたり、資源の類もBETAに掘られていたりで、色々と厳しいのは事実だ
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