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戦極姫 天狗の誓い
第4話 越後統一
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そうか……。颯馬よ、私はお前のようなものが味方してくれたことに感謝している」
「どうしたんですか? 急に改まって」
「いや、お前のように不思議な者が居るだけで士気は上がり、私の目的に大きく近づくのだ。あの時、町に出ていた私はいい拾い物をしたよ」
「そうですか。拾われた以上、恩の為にも尽くさなければいけないですね」
「ふふっ。お前の働きに期待するよ。そう言えばお前、人を探していなかったか?」
「ええ。無事に見つかりましたから大丈夫ですよ」
「そうか。さあ、まだ酒は残っている。酔い潰れるまで付き合ってもらうぞ?」
「ははっ。こりゃ、戦よりもきついかも……」
そう言いながら杯に注がれた酒をもう1度飲み干す。
すぐに酔いが回ってしまった俺は、部屋で休むために景虎様と別れて自室へ向かう。


「…………」

…………誰かいるのか? 自室から何者かの気配がする。まさか、忍か? 
俺ってそこまで重臣じゃないぞ? 
恐る恐る戸を開くと……そこには弥太郎殿が顔を赤くして寝ていた。
「…………新入りの寝床を奪って新入りいじめか……中々やりますね、弥太郎殿」
弥太郎殿は酔っているので変に刺激して怒らせたらなにされるか分かったもんじゃない。
俺は大人しく、廊下の壁に背をつけて座り込んだ。。
「うう、寒い……」
体を震わせながら俺は眠りについた。



「そう……お……ろ」
「あん?」

誰かに呼ばれた気がして目を開ける。光が目に差し込んできてもう1度目を閉じ、ゆっくり開ける。

「颯馬、起きろ」
目の前に兼続の顔がある。
「颯馬、お前。こんなところでなんで寝ているんだ?」
「んあ? ああ、そうだ。俺の寝床が弥太郎殿に占領されていてな……」
「何?」
兼続が俺の自室に入ると、弥太郎殿をたたき起こし、廊下に引っ張り出す。
「ひい!? 兼続!? 急に何を!?」
「小島様! 戻ってこないのでお休みになったと思っていたら、お部屋に居なかったので探しましたよ。それに、颯馬の部屋を占領するなんてダメですよ!」
「え? 颯馬の部屋? ああ、すまない颯馬」
「颯馬、詫びさせてもらう。小島様も酔っておられたので悪気があってやった訳じゃないのだ。だが、済まなかった」
兼続が深々と頭を下げる。弥太郎殿も頭を下げている。こうも頭を下げられるとどうしても違和感がある。
「まあまあ、別に大事には至ってないので大丈夫さ。廊下で寝るのも滅多にできない経験と思えばいいしな……」 

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