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101番目の舶ィ語
第十三話。ドキドキ添い寝と誓い
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、それでも安心して俺の側で寝てくれた一之江の事を思うと思わず頬が緩んでしまう。

(一之江にも、こんなに可愛いところがあるんだな……)

「早く一之江の役に立てるように頑張ろう」

一之江の穏やかな寝息を聞きながら、俺は握った手に少し力を込めて思う。

(君(お前)を消させたりしないからな、主人公として)

握った手にそんな想いを込め、俺も意識を閉ざした。








2010年5月13日午前5時。

早朝。目が覚めた時にはもう一之江の姿はなかった。
あいつの体は基本的に冷たいので、温もりみたいなものもなくなっている。
俺が眠った事で、無事に家に戻れた……のだろうか?

……なんとかなく寂しいと思ってしまう。
……って、いかん。いかんぞ。キンジ。
気をしっかり持て!ヒステリアモードになんか、もうなりたくないだろう?
だから気にすんな。一之江とはあまり関わるな。
そう思いつつも、どうしても気になってしまう。


……後で確認のメールしとこう。
電話だとまた呼び出してしまうからな。

「まだ、時間は早いんだよな」

時計を見ると、まだ夜中と言ってもいい時間帯だった。
こんなに朝早く起きてるのは、新聞配達の人と、早朝ランニングをする人くらいしか起きてないな。

「……目覚めちまったし、偶には体動かすか」

そう決めた俺は、気分をリフレッシュさせる為にもトレーニングウェアに着替え、早朝ランニングに出る事にした。
手早く準備を済ませて家を飛び出した俺は走り始めた。
早朝という事もあり、霧が出ていたが車に気をつけながらゆっくり走れば問題ない。
標高が高いこの街ではよくある事と記憶にもあるしな。
走るついでに『コード探し』もしてしまおうと軽めに体を動かしていく。
軽く動かしてから数分後。
体が温まった俺は______
せっかくだし、近所にある市立夜坂公園にでも行ってみるか!
そう思い、走る速度を上げた。
公園に向かって走る速度を上げ、家からそんなに離れていないところにある十字路を右に曲がった途端______
俺の背後から声がかけられた。





「お前さん、もうすぐ死ぬぜ」



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