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101番目の舶ィ語
第十三話。ドキドキ添い寝と誓い
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は消えない。
俺が守るから……君が消えないように頑張るから」

絶対に一之江を消滅させたりはしない。
そういう誓いも込めて、俺は一之江の手を握った。

「っ??」

握った瞬間、一之江の身体がビクッと跳ねた。

「君も、俺の大事な物語に出来るように頑張るから、だから大丈夫だよ」

手を握ったまま一之江に語りかけた。
このまま手を離されても仕方ない。
だけど、俺はどうしても……一人じゃない、と伝えたくてその手を握り締めたかった。

「……はふ……」

背後から何処かしっとりとした吐息が背中に______
安心したような、許してくれたような、諦めたような、そんな吐息がかかる。
そして、一之江は手を握り締めた俺に……





グサッ



「痛てえぇぇぇ______??」

俺の背中に何か尖ったものを突き刺した。

「何乙女の手を握ってるんですかうんこ野郎」

「ちょっ、女の子がそういう事を言うんじゃありません。めっ!」

「貴方はそういうトコは気にせず、とっとと寝て下さい。貴方の意識が完全になくなれば、私も家に帰る事が出来るのですから」

「え、あ、そうだったのか」

「そうです。なんなら、永眠させてあげてもいいのですが」

「わかったよ。直ぐ寝るよ、君の為なら」

そう言って俺は目を閉じた。
しかし、背中を刃物らしき物で突き刺されたままなのに最初の痛み以外は特に感じないのがまた恐ろしい、な。

「全く……貴方は、真性のバカなのですね」

溜息と同時に、何処か安心したような吐息が交ざっていたのは間違いだろうか。
こんな状態で、一之江みたいな美少女とのドキドキ添い寝な状態ですぐにぐっすり眠れるはずはないんだけどな。むしろ、最初に話しかけてきたのは一之江の方からだったよな?
そう思ったが、そんな事は言葉には出さない。
女の子が我儘を言って、それを叶えるのが俺の役目だからね。
ヒステリアモードの俺がそう思っていると______

背中にとん、と何かが……一之江の頭らしきものが当たる感触があった。

「ん?まさか……」

「ん……くー……すー……」

「……何だ、先に寝たのか」

握り締めている手を緩く握り返されるのを感じながら、俺はホッと吐息をこぼす。
今までの態度は……照れ隠しだったのかもしれないな。
そう感じていると、俺も眠気を感じ始めた。

(ヒステリアモードが解け始めているな。
昨日からヒスりまくりだから身体休めないともたんな)

背後からは一之江の寝言が聞こえてきた。

「ん……むにゃ……ころしますよ……くぅ」

「ロア状態でも、こんなに安心して眠れるもんなんだね」

残念ながら寝顔を見る事は出来ないが
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