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101番目の舶ィ語
第十三話。ドキドキ添い寝と誓い
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「四条先生も、図書委員顧問の先生もご存知ありませんでしたしね」

「ああ、絶対知ってるはずだからね、あの先生方なら」

意図的に隠しているとかではない限りな……まあ、そんなメリットはないだろう。

「なので『ロア喰い』に食べらてしまったのではないか、と」

「……そんな力があるのか、その魔女には」

「おそらく、となります。ただ、こう考えれば今回も辻褄は合いますから」

「……確かに……いや、でもそれは」

「ええ。『ロア喰い』に食われたロアは、存在していなかった事になる。
つまり、覚えている人物がいなくなり、ロアとしても消滅してしまう」

「……そういう事になる、というのか」

「完全なる消滅。絶対の死。それが『記憶の消去』ですからね」

『記憶の消去』によるロアの消失。
魔女がロアを食べる事で人々の記憶から消えるのか。
それとも、人々の記憶から消して弱らせた後に、食べるのか。
どちらにしても……多くのロアにとっては恐ろしいロアのようだな……魔女という存在は……。
しかし……

「何で俺は覚えたままなのかな?」

「なんか主人公パワーじゃないでしょうか?」

「主人公だから、か……そんなもんなんだな」

思わず一之江を呼び出したDフォンを確認してしまう。
皆んなに忘れられた物語を覚えていられるというのは______なんとなく嬉しい事かもしれない。

「この業界、不可解と特別扱いは当たり前ですからね」

「都市伝説が実際に現れる業界、か……」

それは、法則やルールが物語ベースになる業界。
そんなロア達の世界を『8番目のセカイ』と言うのかもしれないな。

「それじゃあ……」

「なんですか特別扱いさん」

「君も、一之江も、食べられたら消えるのか?」

「おそらく、食べられたら消えるでしょう。私の物語の記憶と共に、人々の記憶からも。
それが『ロア喰い』に食われた者の末路のようですから」

「そっか……」

様々な方法で消えてしまう『ロア』達。
一之江は一体いつから、そんな自分が消えるかもしれない可能性と戦い続けたのだろうか?
何もしないで過ごそうとしても、人々が忘れてしまうからそうもいかない。
世界に存在性をアピールし続けないと消えてしまうのがロアだからな。
しかし、事件を起こせば、『ロア喰い』のような存在に見つかってしまうかもしれない。
俺が昨夜『死ぬかもしれない』と思った事なんて、一之江はとっくに何度も何度も経験して、苦しんで、悩んで、それでも戦い続けているのかもしれない。
……本当に強い自信があるから、余裕を持てる。
だけど……それが今の一之江だとしても……

「大丈夫だよ。一之江」

「何が大丈夫なんですか?」

「君
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