ハイスクールV×D ライド9
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「何の用だ、変態?」
「部長がお前と朝田を呼んでんだ、部室まで来てくれ」
四季と一誠の間に流れる険悪な空気に周囲の生徒達は二人から距離を取っている。此処に天使や悪魔等に無関係の生徒が居なかったら、神器を出しての戦闘に入りそうな程度には二人の間に流れる空気は不穏な物になっている。
「断る。それにもう関わらないって言う約束だっただろ? 随分と早く約束を破るんだな?」
グレモリー眷属には仲間になる利は無い程度の認識だったが、一誠に関してだけは大切な人に対する暴言で完全に敵としてみなしている。あの日から《人殺し》と何も知らないで彼女を悪く言う連中に対しては数え切れないくらい怒りを覚えている。何故何も悪くない彼女がそんな風に悪く言われて傷付かなければならないのかと。
「オレはお前らなんか連れてきたくないんだよ! でも、部長が……」
「奇遇だな、オレもお前の変態面は見るに耐えないと思っていたところだ」
一誠の言葉に四季が挑発をぶつける事で更に空気が重くなる中、
『何やってるのよ?』
突然響く呆れと言う感情の篭った第三者の声。その声に四季の纏っていた不機嫌な空気は霧散される。一誠から向けられる敵意を一切無視して後ろから聞こえてきた声の主……詩乃の姿が有った。
殺気混じりで交わされていた雰囲気が霧散した事に心底安心しているクラスメイト達の姿が視界に移ると、詩乃へと感謝している、詩乃と仲の良い四季のクラスメイト『桐生 藍華』の姿が有った。
恐らく四季を何とかできるであろう詩乃を呼んだのだろう。感謝している藍華に『気にしないで』と言う様子で手を振っている詩乃の姿に、彼女に友達が出来た事に心底喜んでいる。駒王学園で友達と言えるのは四季も詩乃も二人くらいだが。
別に女イッセーとか言われていても、四季にとっては詩乃と仲良くしてくれているならそれで良い。
重ねて言うならば四季も詩乃も学園の外には友達は居る。学校内での交友関係が狭いだけだ。
(うん、良かったな。友達が出来て……)
ある意味本人に聞かれたら怒られそうな事を考えている。ふと、一誠の方に視線を向けるとアーシアが一誠側の仲裁に入っていた。ふと思う。……詩乃に似た過去がアーシアにもある。流石にその事について触れる気は無いが、もし四季がその事を言っていたら、一誠も四季と同じ様に怒っていただろう。
「それで、なんでこうなったのよ?」
「大した事じゃない、あいつのご主人様が早速約束を破ってくれた事と、あいつの変態面は見るに耐えないって思ってただけだ」
「はぁ」
何故そんな風に四季が思っているのか検討が着いたのだろう、詩乃は呆れた様に溜息を吐くがどこか嬉しそうに見える。
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ