ビギニング:歓迎されざる者
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無いよな?」
わりかしおもっ切りやったんだが。
すると、見に行ったユイリが頷く。
「大丈夫の様ね。気絶した様。全く、だらしのない……」
後半は嘆く様に言うと、ユイリは此方に来て言う。
「さ、行きましょう。わたくしの家に」
ユイリはそういって、笑った。
「……なぁ、ユイリ。あれって何だ?」
俺は村を歩いていると、そこから見えた大きな樹を指して言う。
「……ああ、アレはスレイブ。硬く、そして斬れにくい樹よ。三百年の歴史に在るほどの樹で、今も木こりがアレを伐採しようと年に年を重ねてるらしいわ」
「へぇ〜」
スレイブ……と言うことはアレか。催眠か何かの英語名だったか。
「じゃあアレは?」
「アレはソルの樹よ。ほら、他の樹より色が紅いでしょう?だから、ソルス様の二文字を頂いてソルの樹と呼ばれているのです」
ソル……は確か太陽?だったような気がしないでも無い。
『ライト、無駄な知識は置いときなよ』
ロードが俺に言うが、無駄な知識程役立つ物も在るんだぞ。
と、言う説明をしてる間にユイリ宅に到着した。
「さぁ、入って。歓迎するわ」
「おう」
中に入ると、どこぞの貴族を思わせる程の豪華な家だった。
「眼がチカチカする……」
「それは同感よ。わたくしと同じ考えなのは貴方が初めてよ、ライト」
「……何で?」
「わたくしの父が村長をしていると言ったでしょう?ですから、誰も逆らえないのです」
「へぇ……でも、これはやり過ぎだよなぁ……」
「同感ですわ……」
二人して頭を押さえていると、
「おお、ユイリ、帰ったか!!」
まさかの父親登場。意外と普通。
「ただいま戻りました。道中、ゴブリンに襲われ、ユリアが気絶してしまいましたが、此方の旅人、ライトに助けて貰いました」
「そーかそーか!いやぁ、君、娘たちを助けて頂いて感謝するよ!!ユリアは預かるよ」
「あ、どうも……」
ユリアを父親に渡すと、すぐにどっからかメイドが現れて、どっか行った。なんでもありか。
「重ね重ね礼を言うよ」
「お父様。彼はベクタの迷子らしいのです。家に泊まらせても構いませんか?」
「おお、それは大変。是非ともそうさせてあげなさい。では、ライト君。好きなだけ泊まっていってくれたまえ。ではな!」
すると、父親は何処へときえた。
「……はぁ、本当にどうして……」
「何かあんのか?」
俺はユイリに聞く。
「まぁ、家の事情が事情なだけに……ねぇ、ライト」
「何?」
嫌な予感しかしないけれど。
「もしよければ、私に剣術を教えてくれないかしら?」
……まさかカウンターのそれかい!!
「どうしてまた?」
「……妹を守りたいの。この家からも、この村からも」
……?
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