都市伝説
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「ったく。白井がいなくなった途端に怖さがぶり返すってなんだよ……。さっさと帰って休みたい……」
ケーキを食べ終わり、少し遊んでから解散となった4人。しかし、暗くなり始めて怖さがぶり返した松野を蓮が送って行っていたために蓮だけ帰りが遅くなってしまった。佐天と初春は松野の家まで付いて来させるのも気が引けたので、先に送ってきたために今はいない。疲れもあるのでさっさと帰ろうと蓮が歩くペースを上げようとしたとき、たまたま今通っている橋の下の河川敷の方に光が走ったのが目に入った。そちらに目を向けると見覚えのある姿。
(電気……あれって御坂さん?喧嘩か?)
目の前で御坂が見知らぬツンツン頭の男と対峙していた。どうやら御坂が喧嘩を売って、男の方が逃げ回っているようだ。蓮はしばし悩む。一般人に攻撃しているわけだし御坂を止めるか、介入せずに見なかったことにするか。少し考えて前者に決めた蓮は動き出そうとするが次の光景を見て止まってしまう。
(御坂さんの電撃を打ち消した……?)
驚きを隠せない蓮の前で男は次々に放たれる御坂の電撃を打ち消す。蓮の脳裏に浮かぶ、いつかの不自然な御坂の態度とけんかの現場の跡。
(そうか……あの時の相手はこの人か……。面白い……!!)
目の前ではさらに御坂が磁力を操って作った砂鉄の剣を強制的にただの砂鉄に戻す男の姿。それを見て蓮は両手に竜の頭を模した炎の拳銃を創り出す。ただ間に割って入るつもりだったが電気は効かない能力者なら御坂に分が悪い。男は攻撃する意思はないようだが万が一もあるので早めに止めるためにも多少強引な手段で行くことにしたのだ。
(なんで御坂さんがケンカ売ってんのか、あいつの能力はなんなのか分からないけど……。とりあえず止める!)
蓮は橋から飛び降り、空中で両手の銃から炎の弾を4発ずつ撃ちだした。計8発。すべての弾が男と御坂の方に向かって行く。その時、男が気配を感じたのか。振り返って右手をかざした。
「なっ……!!」
それだけの動作だ。男の右手に触れた途端、蓮の炎はすべて打ち消されていた。消火されたという感じではなく、まるでその場になにもなかったかのようにきれいに打ち消されていた。男の右手をかざすというその動作1つで。それに衝撃を受けつつ、蓮は炎のブースターを使ってゆっくりと着地。そんな蓮のことを見つけて2人が声を上げる。
「っつ〜〜〜!!あぶねえな!なにすんだ、お前!!!!」
「神谷くん!?なにしてんのよ、こんなところで。」
突っかかって来る男をスルーしつつ平静を装って蓮は御坂に声をかける。
「御坂さんこそこんなところでなに一般人に能力ぶっ放してるんですか。どうやら一般人じゃないようですけど……」
「勝負してたのよ。両者同意の上の。」
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