都市伝説
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「これが落ち着いていられますか!ああお姉さま……!!」
「ここまで取り乱している人がいると自分は冷静になれるなぁ……」
「うるさいなあ、もう……。白井、呪いを解く方法なら俺、知ってるよ。」
白井の様子に松野が呟いていると、ついに無視しきれなくなった蓮が会話に参加。その蓮の言葉に白井が過剰反応を示す。
「ほんとですの!!早く!早く教えてくださいまし!!!」
「うわ……こわっ……ってか近い!!その方法は感染者に感染者がふだん身に着けているものを被せ、『いさなんめごんさかさみ』って唱えるって方法。これで感染が抑えられるらしいよ。」
「それだけでいいんですのね!そうとわかればこんなことしている場合じゃありませんわ!!待っていてください、お姉さまーーー!!!!!」
「あっ!白井さ……んて行っちゃった。」
蓮の助言をきいて白井はテレポートも駆使して一瞬でその場からいなくなる。佐天の呼びかけもまったく聞いていなかったところを見るとかなり必死のようだった。蓮は満足したようにケーキを食べるのを再開するが、その蓮をジト目で見る人が1名と感心したように見る人が2名。
「すごいですね、神谷さん!あんな情報どこで見つけたんですか?」
「まさか神谷が都市伝説についてここまで詳しいとはねぇ〜」
「え?ああ、あれ嘘だよ?」
「「え?」」
「やっぱり……」
感心する純粋な初春と佐天にあっさりとそういう蓮。もっとも松野は気づいていたようで小さくため息をついていた。
「そんなこと知ってるわけないでしょ。テキトーなこと言っただけだよ。」
「テキトーって……。なんでそんなことしたの?白井さんがかわいそうじゃん」
「うるさかったから。」
「……うん、そっか。」
単純明快な理由に何も言えなくなる佐天。確かにうるさくて周りの迷惑にもなっていたので白井が追い出されても仕方ないと思ったからでもあるが。
「それにヒントは出してたんだよ?白井なら気づくと思ってたけど本気で焦ってたんだな。まさか本当に出てっちゃうとは思ってなかった。」
「ヒント?」
「呪文みたいな言葉でしょ?神谷。」
「松野さんは気づいてたんですか?」
「まあね。簡単だよ。反対から読めばいいんだよ。」
「えっと……み・さ・か・さ・ん・ご・め・ん・な・さ・い……?」
ヒントについて松野から聞いた初春と佐天がそろって首をかしげる。この合言葉が偽物であることはわかったがなぜこの言葉なのかわからなかったのだ。
「これから白井に襲われるであろう御坂さんへの謝罪だよ。御坂さんの呪いを解くっていう名目上御坂さんを関わらせる以外の方法が思いつかなくて……」
「ああ……確かに」
4人はこれから白井の強襲を受けるであろう御坂に心の中で静かにエールを送った。
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